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INITIAL D


背後からライトの明かりを感じた。

バックミラーを覗けば…

そこにはさっきのように2つの光が映し出されていた。

いや…
正確にはさっきより大きく………


「馬鹿な…ッ!!」


振り切れねぇどころか…
詰められているだと…?!







ブォオオオォ


「………

これが妙義最速のR32?」


くちゃくちゃとガムを噛む音が車内に響き渡る。


「確かにテクニックはあるみたいだけど…思ってた程じゃないかな…」


ニィッと口の端を上げて


「さてと…

では…いきますか…!!」








ブォオン!


「何ィ?!」


後ろの車が…
いつの間にか隣に…?!


ブォオオ


車はどんどん加速しとうとうそのまま前へ出る。


「馬鹿か?!この先はすぐにコーナーだぞ?!
オーバースピードだ!!」




「クスッ…甘いんだなぁ」


キィイイ


「な…!!」


曲がりやがった?!
あの速さから…?!


車はそのまま道を下っていく…



オレが…負けた…?
妙義最速のオレのR32が…?


「へっ…申し分ねぇドリフトだ…」


車を止め、下っていくその車を見送る。


黒のインプレッサ…


「あいつ…一体何者なんだ…?」


「毅!!」


その車が見えなくなってから慎吾の赤いEG6はやってきた。


「お…おい見たか…今のインプレッサ!!」


青い顔をした慎吾が車から降りてくる。

オレが抜かれたってことは後ろにいたこいつも抜かれたんだろうな…。


「毅…」

「フッ…なかなかいい腕だぜ…
だが…次会った時はこうはいかねぇ…!!」






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あきゅろす。
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