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短編
薬屋ぱんだ
短編

*薬屋のマスコット『ぱんだ』の日常*

*複数
*玩具
*本番無し


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 うらぶれた細道の一画に、その店はある。




 極々ありふれた、何の変哲もない−−いや、いっそ寂れた印象さえ漂う薬屋だ。
スチール製の薬棚に、古びた硝子のカウンター。そのカウンターに肘を掛けた白衣の青年が穏やかな表情で眼鏡クロスを操っていた。
傍らには琥珀色に満たされたティーカップ。
立ち上る湯気が店内を漂って


‥‥まるでそれにそぐわぬ声が唐突に店内に響き渡った。

「ひっ‥あ、ぁっ!」

「あ〜あ。イっちゃったんだ。ぱんだちゃん。」

「お前がいきなり『最強』になんかするからだろうが。」

非難する口調。でも口元には笑みを浮かべたの男達の視線の先に居るのは、一人の少年の姿だ。
膝を起てて座り込み、細い肩を震わせている。
抜けるような白い肌に、漆黒の髪。
小作りな顔立ちの中で唯一特徴的な垂れ気味な瞳が、今は沢山の涙を溜めて潤んでいた。
今にも零れそうなそれに、男達の喉が鳴る。

「ふぁ、あ、あ‥」

「ぱんだちゃん。気持ちイイの?」

一人の男の手が伸びて、薄い胸の上に色付く突起を摘み上げた。

「きゃひぃ!はんんっ!」

突然の刺激に少年の背がしなる。と同時に足も跳ね上がり、その奥で小振りな双丘がビクビクと痙攣するのが見えた。
少年の双丘の間からは薄桃色の細い紐のようなものが伸びており、それは傍らに立つ一人の男の手の中へと続いていた。

「ああ。ごめんごめん。急に触ったから驚いちゃったかな?それとも‥」

目配せを受けた男が手を微かに動かす。

「ああっ!!あふぅぅ!」

と同時に少年の口からは叫びが上がり、虫の羽音によく似た音が大きく響き渡った。

「あ〜、可哀相に。泣いちゃった。」

「よく言う。お前が合図したんだろうに。」

「ねぇ。ぱんだちゃん。」

また別の男の手が伸び少年の足に掛かる。

「ぱんだちゃんの気持ちいい所、見たいな。」

言うと同時、掴んだ手が華奢な足を持ち上げ割広げた。

「や、やだっ!」

「おっと」

すかさず反対側から伸びてきた腕がもう一方の足をも掴む。
同じように手も押さえられて、少年は恥部を隠すこともままならなくなってしまった。
遠慮なく向けられる視線に、垂れた瞳からは更にとめどなく涙が転がり落ちる。
だがそれは男達の嗜虐心を尚更煽るだけだ。

「あれあれ〜?ぱんだちゃん、こっちも泣いちゃってるねぇ?」

「気持ちイ気持ちイて泣いちゃってるんじゃん。」

容赦無い視線が少年の中心にピンと立ち上がって濡れる快感の証へと突き刺さる。
まるでなぶるかのような熱を持った視線に、細い身体はふるりと震えて、

「あらら?」

にやけた口元が開いた。

「ヒクヒクンてなったよ。ぱんだちゃんのシッポ。」

「ひょっとして見られただけで感じちゃったのかな?」

「あれじゃあもしかしてこっちも‥」

瞬間あらぬところに感じた空気に、少年の喉から甲高い声が奔しった。

「ひゃゃあっ!」

露わにされた双丘の奥。
そこには前から滴る雫に濡れそばる、真っ赤なすぼまりがヒクヒクと収縮を繰り返していた。

「凄ぇ‥ギュウギュウ。」

一人の男の喉がなる。

「ひん!」

すぼまりの周りを2本の指でぐにぐにと揉まれて、少年は堪えきれない、というように身をよじった。
押さえられているせいで丸見えな中心も先端から更なる雫を溢れさす。
そこをまた別の手が塗り広げるように小刻みに擦り上げて。

「あうぅあんんっ!!」

細い身体が快感に跳ね上がった。
と、その拍子に、いきんだ為だろうか。赤いすぼまりからピンク色の球体がひょこりと顔を覗かせた。
そこから延びた紐よりも、少し濃い色の艶めいたピンク。
途端、羽音のようだったものが更に大きく響き渡った。

「あらら。出ちゃったよ。ぱんだちゃんの玩具。駄目でしょう?」

「あひぃっ!」

覗いたそれは直ぐに親指で押し込められて、と同時に繋がる紐をもつ男の手が動く。

「ああぁん!!!!」

一際甲高い声。
押さえ付ける男達の手を撥ね付ける勢いで身体を痙攣させた少年は細腰を突き上げるようにして快感の証を吹き上げた。
立て続けの2度目の絶頂は流石に堪えたのか。
2度、3度、余韻のように跳ねた身体は直ぐにぐったりとして横になった。
投げ出された足と、晒された平らな腹には白い残滓がこびりついている。
茫然とした表情で、どこか焦点の合わない様子の瞳から溢れる透明な滴だけが、やや上気して染まった頬を濡らしつづけていて‥‥

ゴクリ

鳴った喉は誰のものだったのか。


「くそっ!もう我慢できねぇ。」


カチャカチャと音を立てて一人の男がベルト外し始めた。それにつられるように他の男達もそれぞれの下衣に手を掛けはじめる。

と、

「‥め、」

まだ荒い息を付く少年の唇から声が零れた。

「ああ?」

「だめぇ‥駄目です。そのままじゃ‥」

「何言ってんの?そのままじゃ『駄目』なのはぱんだちゃんの方でしょう。」

ヴヴヴ..

未だ音を響かせているそこに、熱い切っ先を当てられて揉むようにされると、少年の身体は再びビクビクと跳ねた。

「ほら。」

男の口元が勝ち誇ったように笑う。

「‥っ違‥め‥駄目ぇ」

「まだ言うの?」

「違っ‥ひゃうん!‥‥のまま、そのまま、駄‥目ぇ‥」

「え?」

喘ぎに混じる切れ切れなそれによく見れば、少年のか細い指は、震えながら店頭の一画を指している。
そこにはぼんやりと白い光を放つ四角い箱−−ジェンダーマシンだ。

「ぷ。なんだよ。」

「ぱんだちゃん律儀〜。」

いい子いい子、と囁かれると同時に胸の尖りをくるくると捏られて

「んっ!あっ!んぅっ!」

少年が身体をよじらせる。
それに切っ先を当てていた男は息を詰まらせた。

「‥っく、おい!いいから、誰か買って来いよ!」

熱くうねるそこは今にも飲み込まんばかりにうごめいて、尚且つ中からは細かい振動を伝えてくる。
加えてこの視覚。
しどけなく投げ出された細い手足。
濡れた瞳に、うっすらと上気して桃色に染まった頬。
平らな腹は荒い呼吸にせわしなく波打っていて、その少し上には熟れきった果実のような尖りがピンと立っている。
同色の、そして同じく立ち上がっている少年の中心。
そこから滴る雫に濡れたすぼまりと、そこに当たっている自身のグロテスクな切っ先と。
少年の身体から漂う淫蕩な匂いが鼻孔を擽る。
快感に震え涙を流すこの細い身体を目茶苦茶に突き上げたいと、腹の底から欲望が沸きたぎる。

「ほら。買ってきたぞ。」

「あ。俺の分も‥」

入れ代わるように立ち上がる人間を尻目に、渡されたそれを急くように自身へと被せる。
ピタリと包まれる感覚に気は逸って、今にも暴発しそうなそれを熱いすぼまりへと突き当てて−−−−−−




「おっと、お客さん。そこまでですよ。」




唐突に声が響き渡った。

この場にそぐわぬ−−この興奮しきった空気を突き破るような平静な声を出した主は、先刻までカウンターの硝子ケースに肘をついていた青年だ。
だらしなく座っていた割には皺一つ無い白衣をさらりと捌いて、人の輪の中心に割って入ったかと思うと、まるで頓着せぬ様子で一気に少年の中へと繋がっていた紐を引きずり出した。

「んあうぅんっ!!」

「もう日が変わった。店仕舞いするよ、ぱんだ。」

「は‥はい。」

よろよろと少年の身体が立ち上がる。

「あ!」

我に返った男達の手を少年の肢体が擦り抜けたと同時、青年も立ち上がりくるりと背を向けた。


「そりゃあ無いだろうよ‥店主。」


その背に追い縋るように声を上げたのは、準備万端で今にも突き入れようとしていた、その男だ。
それにちらりと青年−−店主の切れ長の瞳だけが振り返った。

「おやおや、お客さん。勘違いして貰っちゃ困りますよ。うちは薬局です。彼は単なる『客寄せぱんだ』で娼年じゃあない。」

「うっ。」

「それに、」

店主の手が持ち上がり、一枚のプレートを持ち上げた。

「ほらね。うちは0時まで営業です。それでは、ご利用ありがとうございました。」

にこり。

パタン、と音を立てて硝子戸が閉じられる。
残されたのは戸の中心にぽつんと下げられた『本日は終了しました』のプレート一枚。


「またのお越しを心よりお待ちしております。」


プレートの下部には小さなぱんだのキャラクターが、ぺこりとお辞儀をして描かれていた。


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あきゅろす。
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