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短編
玉虫色モンスターハウス@
中編
*屋敷に囚われの『ご主人様』*

*執事×新米主人
*現代ファンタジー
*強制フェラ
*飲精

−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−



「死ぬ前に君に出会えて、良か、った。これで漸く‥‥」


言って老人は目の前で息絶えた。






−−−−なんか諸々ありまして、屋敷を相続することになりました。




「えー!都内にあの敷地って超金持ちじゃん!」


そう言われるくらいその屋敷は広大で豪奢な洋館で、




「うぉマジでお前あのお化け屋敷の主人かよ!?」


そう言われるくらい歴史漂う−−ついでにオドロオドロしさも漂う、オンボロ屋敷だった。




そして相続した屋敷には、もれなく美貌の執事が付いていた。




「この屋敷は私自身。私自身はこの屋敷。そしてこの屋敷は「主人」無くしては決して成り立たないのです。
ああ。先代のご主人様が亡くなられる前にご主人様にお会いすることが出来て本当に良かった。どうぞ私めら一同心よりお仕えさせて頂きたく存じます。」

黒のクロックコートに身を包んだ長身が、陶酔しきった様子で朗々と語っている。

「・・・それでこの待遇かよ。」

「はい。」

思わず零れた呟きに、美麗、としか表現できない顔がニコリと笑んだ。

肩口辺りに流れる髪は黒いけれども、到底日本人とは思えない顔立ち。ばっちり黄金率な顔に切れ長の瞳は不思議な色合いをしている。
玉虫色っていうのかな?
なんか一昔前に流行ったマジョーラてのが一番近い気がするが。

兎も角そんな瞳に見据えられて微笑まれても全然親しみを持てないっつーか。
そもそもこの状況で親しみを持てっていうのが無理だっつーか。

「あの、取り合えず縄、解いて貰えませんか?」

「お止め下さい。ご主人様が私め如きにそのような敬語など、全く必要ではありません。」

はーなーしー摩り替わってるし!

ならば、と出来るだけ居高丈に命令口調で吐き捨ててみる。

「さっさと縄を解け。」

「それはご主人様がお逃げになるからです。」

「結局解かないんじゃないか!!」


ガタガタと縄で縛られた椅子ごと暴れた俺に、執事はス、と玉虫色の瞳を細めて居住まいを正した。

「先刻も申し上げました通り、この屋敷は「主人を無くしては成り立たない」のです。」

凛、とした声。

抑揚の少ないその話し方は、な、なんかちょ‥怖‥!

「そして私は屋敷と一心同体。」

ビビル俺を見据える緑掛かった金茶の中に点在する金色が、強い光を放っていた。
冷たい美声と相俟ったそれは正に−−−−


−−−−−化け物じみていた。


そう。

相続した屋敷にもれなく付いてきた美貌の執事は、人間じゃ無かった。

その証、とでも言うように、先刻より大きくなった金色が鋭く光る。

ひぃっっ!

「わ、解った。解ったから!あの、逃げないから!だから縄だけ外してくれないか?」

「それは無理でしょう。」

玉虫の瞳を持つ執事は冷たい魔物の顔をしたまま言い切った。

「これから行う儀式にご主人様が逃げ出さずにおられる筈が無い。僭越ながらそう存じます。」

なななな何をする気なんだ‥っ!??

「ご心配無く。決して悪いようには致しません。」

めっちゃ悪役の台詞だし!!

「どうか」

そっとその白く長い指が俺のジーンズの前立てに触れた。

「な、どこ触っ」


「どうか大人しくなさっていて下さいませ。」


ザキン

言い様、瞬時に伸びた鋭い爪が俺のデニムを切り裂いた。



「‥は、はい。」




そう返事をする以外俺に何が出来る?




 固まる俺を尻目に、執事はデニムの破れ目から俺の身体の一部を暴いて取り出した。
なに、っつーか‥まあナニだ。
今は緊張と恐怖に縮こまっているそれを、金色の強い瞳がじっと見据える。
そして

「素晴らしい。」

ほう、と感嘆が込められて執事が呟いた。

そう言われれば‥まあ男としては満更でもない。
まー‥なんてーの?確かに?自慢じゃないけど俺のって結構良い形してるとは我ながら思ってたんだよね。
だってAVなんかで見る、所謂大人の玩具って奴にそっくりな形だしさ。
はっはっはー。魔物にもそういうのは解るんだなー。
なんて

「なんと慎ましやかで、可憐な。」

−−−−て、オイ!

それって褒めてねぇだろ!!
と状況も忘れて怒鳴ろうとしたとほぼ同時、

そこが濡れた感触に包まれた。

「ふぅ‥っ」

怒鳴る為に開いていた口からは違う色みの声が漏れた。
それに切れ長の瞳がフ、と笑む。
そしてその瞳の下の方では−−−俺の物が、すっぽりとその口にくわえこまれていた。

「‥‥っっ!」

れろ、と咥内で舌が動かされる感触。
熱くぬめったものに鬼頭を覆われて全体で擦るようにされる。
それに背中全体が粟立った。
それが悪寒じゃないってことを−−俺はよく知ってる。
チュプ、と濡れた音がこだました。
先端部分を舐められたまま、乾いた唇が竿を擦り上げる。

「‥っ!」

裏の血管に沿って舌が這って、雁の所を下唇に引っ掛けて軽く歯を当てられたり。


−−‥ヤッベ。気持ちいい。

ヤバイくらい気持ちいい。


腰がガクガクと震える。
我慢仕切れずに声が漏れた。

まるで体温が無いような面してるくせに、口の中は信じられないほど熱い。

どうなってんだ!魔物!!

思わず叫びたくなったその時、力んだ反動か、抜き差しされていた唇からニュルリと俺自身がこぼれ落ちた。
濡れそばったそれに、真っ赤な舌が追い縋るようについて来る。

色味のない白磁の頬に、相反する真っ赤な舌。

それを見た途端、


「−−‥っくぅ、」


俺自身がビクリ、と跳ねて、鈴口から白いものがジワリと滲んだ。
それを見ていた金色がすかさず食い付き、吸い上げる。


「っあ!‥‥っ、‥っ、」


何度も何度も、腰が跳ね上がった。
痙攣する内股を白い指がまるで宥めるように撫で摩っていた。


「はぁ、はぁ、」


ヤッベ−−−−ヤッバイ、凄ぇ気持ち良かった。
マジで脳みそ焼き切れそうなくらい。

ボウッとした思考のまま、荒く上下する俺の肩を執事の白い指が抑えた。

「大変美味にございました。」

そのまま耳元に寄せられた口で囁かれる。
それに再び反応した俺自身を見止めたのだろう。

「おや。」

クスリと笑われて、俺は慌てて身をよじった。
−−−まあ手足縛られたままだから全然隠せてないんだけどな(泣)

で、でもこれで

「終わり?」

「いいえ?」

期待を込めて見上げた俺に、返ってきたのは美麗な笑みと、

「次は私の番です。」

信じ難い言葉。


「わ、わ、わ、わ、わ」

私の番てどういう意味−−−−問い掛けようとした俺の目前で、執事はクロックコートを寛げて−−−−取り出した。
そしてすかさず、俺の「わ」のままだった口にそれを捩込んできた。


「・・・・・っっ!?」


あ、顎、外れる!!!!

本気でそう思う程、それはでかくて長大だった。
魔物。正しく魔物だ。
そりゃあ俺のこと慎ましやかって言いますよね‥ってそうじゃなくて!

「大丈夫です。ご主人様の媚態に浅ましくもこのようになっておりますので、直ぐに終わります。」

ってそうでも無くて!!


吐き出そうと動かした舌は、何故か俺の意志に反して執事のそれに絡み付いた。

「!??」

唇も閉じたいのに、全然だ。
それどころかきつくすぼめるようにして、執事を吸い上げるみたいにする。

なに、これ‥‥

なんで‥‥

「そう。締めるようにして頂いて−−お上手です。」

言って執事の手が後頭部を撫でた。
それがなんでか、凄く気持ちいい。

「ご主人様の唇は肉厚で、プルプルとしていて非常に心地良い。ええ。直ぐです。」

執事が腰を使いはじめた。

唇は摩擦で熱くなる。
喉奥まで到達するそれに突かれて苦しい筈なのに−−なのに、なんでだ?
全然苦しくない。
寧ろ−−−−


「ご主人様」


呼ばれて、目を上げた。

ほぼ金色に埋め尽くされた瞳が俺を見据えていた。


「参ります。」


喉奥に熱い液体が迸しった。




「これで『契約の儀』は終了です。」


ずるり、と口から抜け出した瞬間、それまで無かった息苦しさとえづきが一気に押し寄せてきた。

「ぐ‥ぅぇっ、」

精液特有の青臭さや体臭なんかは全然ないけど、喉奥に吐き出された液体の違和感は拭えない。
異様な熱さを感じるそれは、食道を通って胃に入るまでもばっちりと感知できた。

「契約は成されました。これで正式に貴方は私のご主人様。ああ。この喜びは言葉では決して表現しきれません。」

「け、やく、て‥」

「ええ。これで貴方はこの屋敷の正当な主人になったということです。」

??
それは相続した時点でなったのと‥違うのか?

そんな俺の疑問を読み取ったのだろう。
執事は涼しげな笑みを浮かべて頷いた。

「何度も申しましたけれど、私と屋敷は一心同体なのです。つまりは屋敷は−−−言わば私のもの。私が認めた者だけがこの館の主人になれる。」

「‥‥」

「そして屋敷との契約は私との契約。私共は誠心誠意貴方様に仕え、そして貴方様によって生かされる。」


それって‥‥‥つまり‥‥‥‥


「契約、破棄は‥」

「不可能です。」

「そんな‥っ、??」

叫んだ途端、身体がふわりと浮いた気がした。
なんだ?
身体の奥から熱が上がってくる。

「ああ。あまり興奮なさいませんよう。効きが早まります。」

執事の手が肩に触れた。

と、そこからゾクゾクと痺れが走り出す。


「お伝えし忘れておりましたが、私の体液は強い媚薬の効果を持っておりまして。精液はその中でも特に。」







玉虫の瞳が金色に光った。







 諸々ありまして、屋敷を相続することになりました。


その屋敷は広大で、

オンボロで、


−−−−そして正真正銘の『化け物屋敷』でした。



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