小説 -Prologue- 女が嫌いなわけじゃない。 苦手・・・ってわけでもない。 これは、そう。 相手の問題じゃなくて、完全に自分自身の問題。 私は女でも、女になりきれない。 どうしたって、男に見られるなら、最初から男といた方が楽だと思ったんだ・・・。 辛いわけでもない。助けてほしいわけでもない。 ただ、見てもらいたかった。 私という存在を。 噂や外見だけで見ないで、私という一人の存在を、まっすぐ・・・共感して、ほしかった。 私は、星が好きだった。 星は自由でいいと思った。 誰にも縛られず、自分自身が自分の持てる光を精一杯に放っている。 星になりたかった。 自由で、堂々としていて、 人の心をこれでもかと言うほど和ませる。 綺麗で、可憐な・・・。 人を感動させるような・・・。 一つの星に、なりたかった。 [次へ#] [戻る] |