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小説
【池袋に巣くう異人たち】ファイルC:園原杏里(罪歌)




愛してる・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・愛してる


愛してる・・・・・・・・愛してる・・・・・・・・愛してる・・・・・・


・・・・・・・・愛してる・・・・・・・・愛してる・・・・・・・・愛してる

愛してる愛してる愛してる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる

          人が好き・・・愛してる・・・  

愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる

何が好きかって?野暮なこと聞かないでよ・・・

愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる

      全部よ・・・全部好き・・・!!!

愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる

         好きよ・・・大好き・・・愛してる・・・!!

愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て

血汁がすき・・・・

愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て

震えるように柔らかくてサラサラとグチャグチャと纏わり付いて・・・・!!

愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て

            硬骨が好き・・・・

愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て

どこまでもしなやかなのに脆くて鋭くてザラついた硬骨がすきなの!

愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛し愛て愛る愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛

柔らかいのに固くて簡単に裂けちゃう筋張った筋肉がすき!

愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


ア イ シ テ ル ・・・・・


□■□■□■□■□


池袋 来良学園校門前



自身の全身から伝わってくる愛の言葉。

それをいつものように『額縁の外側』に追いやる。

『園原杏里』はまるで、自身に起こっていることが、他人のことであるかのようにひっそりと、まるで『寄生虫』のように生きる。

杏里は自身に潜む『罪歌』に寄生し、また、罪歌自身も杏里を利用しながら人間に対する愛を、杏里の中で叫び続けている・・・。


「園原さんっ!」


背後からかけられた聞きなれた声にすかさず杏里は反応する。


「竜ヶ峰くん・・・どうしたんですか?」


杏里たちは今、来良の文化祭の準備にいそしんでいた。

そのため、杏里たちは休日を返上して学校に出てきていた。

杏里はその材料を買いに行こうとしていたところだ。


「え?・・・えと・・・い・・・一緒に行こうと思って・・・」


そういいながら追いかけてきた、高校生とは思えないほど童顔な少年は、想い人である杏里の前で赤面する。


「え?で・・・でも・・・」

「一応僕も学級委員だし、それに一人じゃ、荷物持つの大変でしょ?僕が持つから」

「・・・ありがとうございます」


少年―竜ヶ峰帝人は杏里の親友であり、唯一杏里が『額縁の内側』へと引きずり出される存在だった。

杏里は、帝人が自分に好意をもっているということを知っていた。

しかし、いまはまだ大切な親友として、杏里は帝人のことを大切に思っていた。

そして、帝人と同じくらい大切に思っている親友が、自分のことを真正面から「好きだ」といってくれた人が、杏里の中にはいた。


「・・・1年前は紀田くんもいて楽しかったですよね」

「・・うん」

「・・・戻ってきてくれますよね・・・」


杏里が急に悲しそうな顔をするが、帝人には杏里を元気付けるような言葉は言えなかった。


「戻ってくるよ・・・正臣はきっと・・・僕らのもとに・・・」


□■□■□■□■□


サンシャイン60階通り



「お?・・・あれって良神の制服・・・休みに何してんだろ・・・?」


景子の通勤中、母校(たったの三ヶ月だが)である高校の制服を着た男女の学生二人が目に入った。

なぜか二人とも暗い雰囲気をかもし出している。


―ん〜・・・二人とも地味っぽいけど・・・カップル・・・なのかな?


「・・・わたしはあんな青春はなかったよ・・・」

「うん」と、一人で相槌を打ちながら、仕事場へ向かっていく。


□■□■□■□■□


某雑誌編集社



「おはようございます!!」

「おう、新人」


朝から騒がしい仕事場に明るい声が響き渡る。


「今日も取材だ」

「はい!」

「頑張れよ。新人」


横から、渋い声が聞こえてきた。

見ると、編集長のようだ。


「はい。必ず、記事になりそうな情報をゲットします!!」

「おう。・・・だが平和島静雄には気をつけろよ?・・・俺らはもう、あいつから情報を聞き出すのはあきらめてる。危険だからな・・・」

「はい・・・」

「ほら、いくぞ!」


『平和島静雄』・・・入社したてのとき、編集部の幹部の人から聞いた名前だ。


「・・・・・・?」


雑誌にも、『平和島静雄』という名前は一切でたことはなかった。

だがひそかに、一部の人間には確かに知れ渡っている。


―・・・いったいどんな人なんだろう・・・?


今更になって興味が出てきた。

雑誌に取り上げられないということは、その存在自体、あまり周囲には知られていないのだろう。(と思う)


「あの・・・先輩・・・」

「ん?なんだ?」


歩きながら昨日から景子に付き合ってくれている、先輩である正宗に問いかける。


「平和島静雄・・・って・・・どんな人なんですか?」

「・・・お前・・・どこまで知ってる?」

「基本的には何も・・・」

「・・・そうか」


先輩はそこで少し考えるそぶりを見せたあと答えた。


「・・・お前は何も知るな」

「え!?なんでですか?」

「アイツに関わったら最後だからだ」

「最後?」


先輩はため息をつくと、いいにくそうに言った。


「殺される。だから、金髪にバーテン服の奴を見かけたら、近づくな」


そういう先輩の目には、あきらめの念すら感じられた。

景子の脳裏に入社のころの記憶が蘇る。


―「『贄川』って奴が、理由も告げずに辞めてった」―


死んだ、とでもいうのだろうか・・・。

しかし、誰もそれについてのことは話そうとはしない

たぶん、何も言わずに去っていったのは本当のことなのだろう。


「そんなことより、取材だ」


先輩が仕切りなおすように言った。


「・・・そういえば、何についての取材なんですか?」


景子も、それ以上は聞かないことにした。


―家に帰ったら、いろいろ調べてみよう・・・。


「あぁ、それなんだが、前に『黄巾賊』の話しはしただろ?」

「あぁ、はい」


今でも覚えている、あの奇妙な光景。

まるで、自分がなにかに取り残されているかのような感覚に陥ってしまう、『黄色』の集団。


「そのリーダーが、来良のやつらしいんだ」

「来良?って・・・なんですか?」

「来良だよ。来良学園」


先輩が指を指した方向。

そこは紛れもなく、景子が3ヶ月通っていた、学校の方向だった。


「それって・・・たしか来神じゃあ・・・」

「あぁ、変わったんだよ。隣の学校と合併してな。今は来良学園になってる」

「へぇ・・・」


―始めて知った。

―臨也くんも教えてくれればよかったのに・・・。


そこまで考えて、ふと先輩のさっきの言葉を思い出し、ちょっとした違和感を感じた。


「・・・それって・・・高校生じゃないですか・・・」


□■□■□■□■□


来良学園 校門近く



「け・・・結構買ったね・・・」


帝人は両手に大量の荷物を抱えながら言った。


「そうですね」


横にいる杏里も、帝人と同じくらい荷物を持っているが、それほど重そうではない。

そんな杏里を横目にみる帝人は、少し自分を情けなく思ってしまう。


「あれ?」


来良学園に着きかけた頃、校門前で生徒でも教師でもない女が、道行く生徒に何か声をかけている姿が眼に入った。


「何かの取材かな?」

「? あ!さっきの!」


いきなり声をかけられ、驚く二人をよそに、取材をしていた女が近づいてきた。


「え・・・?」


女の姿はまさしく容姿端麗で、頭のよさそうな印象を受ける。

だが次にその女から放たれる言葉で、その印象を台無しになった。


「二人ってさ、付き合ってるの?」

「い・・・いきなり何言うんですかっ!!」

「/////」


即座に帝人が突っ込み、杏里はその瞬間、赤面した。


「いやぁ〜。さっき、私、君たちのこと見かけたの。それで、付き合ってるのかなぁ〜って・・・あ、いや、違ってたんなら別にいいんだけど」


そういうと、女――鮫島景子は杏里の方に眼を向けた後、すぐに帝人を見つめた。


「な・・・なんですか・・・」

「頑張ってね、少年くん」

「!! ・・・っ////」


帝人は自分の考えてることが見透かされているような気がして赤面する。


「で、君達に聞きたいことあるんだけど・・・」

「?」


先ほど、取材してた内容のことだろう。

そう思って、二人は素直に、その話を聞くだけ聞いてみることにした。

結局、そのことを後悔することになったのだが・・・


「君達、黄巾賊って知ってる?」

「!!・・・」


杏里がその言葉に反応して顔を上げた。

だが、すぐにまた下を向く。

帝人はその反応を見て、杏里も自分と同じことを考えていると確信した。


「・・・いえ・・・特になにも・・・」


帝人の言葉や、表情には、特に変というわけではなかった。

その言葉を聞いたのが、景子でなければ、あるいは、その言葉が嘘と、誰も気づかなかったであろう。

そう、景子でなければ・・・。


「・・・何か知ってるね、二人とも」

「「!!」」


景子は嘘に敏感である。

それが、どんなに嘘が得意な人であっても。

臨也がその景子の性質のせいでどれだけ邪魔されたことか。


「・・・黄巾賊のリーダー・・・来良学園の人なんだって・・・」

「言えません・・・僕達には何も・・・」


1年前のことが帝人の脳裏に思い浮かぶ。

黄巾賊とダラーズの抗争。

帝人はそこで、親友である『紀田正臣』が、黄巾賊のリーダーであることを、少しだが感じてしまう。

正臣はそれから、学校にも、帝人たちの前にも姿を現すことはなかった。

本当に、正臣が黄巾賊のリーダーであるのか、そもそもなぜ、黄巾賊というチームが出来たのかという真相は、帝人は知らない。

それを知るのは、いつか正臣が帰ってくるとき、それぞれの闇を抱える3人が話し合うときである。

そのときまで、二人は信じ待ち続けている。

考え込む帝人たちを見て、景子はあきらめたように、言った。


「はぁ・・・いいよ。・・・そりゃ、いえない理由ってのはあるよね・・・特に、それが親友とかのことだったら」


景子はさらりと言うが、二人の考える、『黄巾賊のリーダー』が親友であることは、景子は知らないはずだった。


「また来るね。あぁ、安心して?もう黄巾賊のことは聞かないから・・・・・」

「ちょ・・・ちょっと待ってください!」


景子が去ろうとしたところを帝人が止めた。


「? 何?」

「あの・・・あなたは一体・・・?」


帝人の目が少しだけ変わった。


「あぁ、私?私は鮫島景子。君たちは?」


景子は少しだけそういう帝人に違和感を覚えたが素直に自分の名を口にした。


「竜ヶ峰帝人です」


帝人も自分の名を口にし、しっかりと景子を見据えている。


「難しい名前だね・・・将軍みたい・・・」


その言葉には景子の帝人に対するいろんな想いが込められていた。


―この子・・・なんかある・・・


「園原杏里です・・・」


帝人の顔見て考え込んでいたが杏里の声で景子の脳内検索は寸断された。

そのとき、景子のなかで杏里はただの帝人の友達としか思えなかった。

杏里の中に蠢く物があまりに異常すぎて、あまりに自分が求めていた怪奇で景子は気づく事ができなかったのだ。




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あきゅろす。
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