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その他小説
盲目の彼方(進撃:エロ:リヴァエレ)
何でこんな所でこんなことをしているのか。
エレンの疑問をかき消すようにうなじに噛みつかれた。反射的に頭を反らすと嫌がらせのように胸の突起を指でつねられた。

「はぁっ!……は…ぅ…ん…」

大型の机にうつ伏せで上半身だけを倒して、電流が走るような刺激にエレンは堪えていた。机の表面に爪をたてる。
潔癖症の上官が倉庫特有の埃とカビの匂いが充満するこんな所でいかがわしいことをするなど思いもよらなかった。
既にリヴァイの左手はエレンの性器に直接触れていて、ぐずぐずに意識は溶かされていた。しかし決定的な刺激は与えられず、熱が行き場を失って、留まってどうにかなってしまうようだった。そしてその間、右手の愛撫止まらなかった。エレンはジンジン競り上がってくるもどかしい快感に震えた。

「あぁッ…やぁッアっあっあ……リヴァッ…あんぅッ…」

いつもより性急で乱暴で。エレンは曖昧になる意識の中で自分が何か粗相をしてしまったのだろうかと考えた。今のところ彼に「自分を愛しいと感じたから抱く」という考えはない。
自分は新兵で化物だ。そんな自分を、人類最強と称えらるリヴァイが愛して抱くとは思えなかったからだ。だから、ずっと前から、これは仕置きなのだと。
自分が無意識に彼のカンに触れることをしてしまって、それを咎めているのだと、エレンは考える。
そうこうしている内にリヴァイの身体の割には長く、角ばった指が先走りを潤滑油にエレンの後腔に侵入してきた。エレンはいつもこの瞬間涙が溢れてくる。

「んぁっ…はァーっ…はぁっ……アッ…んッ、…兵長…」

「……泣いてんのか」

「ち、…ちが…アァッ!!」

否定しようとしたエレンのいいところをリヴァイは的確に擦る。主導権や支配権を誰が握っているかは明白だった。
ぐちゅくちゅという水音が部屋に木霊して、エレンは眉を寄せた。

「は…へい…ちょぅ…はぁっ」

「声出せエレン」

こんな所で行為を始めるリヴァイの意図がわからなくて、エレンは逆に歯を食い縛った。しかし、そんな強情さはリヴァイを楽しませるだけであり、いつも容易くねじ伏せられる。
ひくつく後腔を何度も皮膚の分厚い指が行き来する。エレンが肩を震わせた。そして堪えていたのに、つい思ってしまう。


もっと欲しい。この人が。


自分はこんなにもこの人を求めている。与えられるものは何でも受け入れてしまう。例え、痛みでも。

「やぁ!ぁあッ…ふぅ…あ、あァ……だめ…ぇ」

リヴァイが乱暴な手つきでエレンを反転させて、机に乗っけた。ガタガタと軋み、音を立てる世界。エレンの脚をリヴァイは押し開いた。額から流れた汗が、エレンの胸にかかった。

あ、来る。

「あ、ぁあぅッ!!やぁあッ…ぁァアァアー……」

「は…」

一気にリヴァイが身体の奥深く貫いて、エレンはびくんっと痙攣した。堪えられず、中途半端に放ってしまった。
今更だが、浅ましいところを見られてエレンの頬は朱に染まった。

「…うっ…兵長ぉ…あ、ア…」

泣くなと自分を叱責しても羞恥心と、下半身からビリビリと流れてくる快楽のせいで泣いてしまう。
リヴァイは膨張した性器をエレンに埋めたまま動かなかった。馴染むのを待っているのではない。エレンの頭を両手で掴んで見据えてきた。

「…エレン」


視線に焼かれるかと、思った。


「…あっ…兵長…」

「…何であんな発言した?」

低い、責めるような口調だ。エレンはすぐに思い当たる。ここに来る直前に出席した特別会議だ。それはエレンの進退が決まった今でも尚、その決定が気に入らない中央の権力者たちが定めた一週間に一度のエレンの審問の場だった。

今回の議題は『エレンの戦果』。といっても最近まで訓練兵だったエレンにまともな功績などあるはずもない。

しかし、不名誉だけはあった。

「…トロスト区襲撃時、34班がー…自分の行動のせいで全滅したことは事実です。…言い訳のしようもありません」

詰問にエレンはそう返した。それでエレンの進退が覆るものではないが、風当たりは増した。

「嘘をつけとは言ってない。だが、自分に不利益な発言はするなと言ったはずだが」

「…事実をありのままに話す以外に誠意を示す方法はないと思ったんです」

「バカか?自分の立場をわかってねぇな。お前はいわば、ガスも刃もない状態で樹にぶら下がってんだ。生きてるのは運がいいだけだ」

「………」

「話を流すくらいの脳味噌はあんだろ。オレたちに任せて、余計なことは言うな。死にてぇのか」

「……はい、わかりました」

「………」

リヴァイはエレンの表情をじっと観察していたが、しばらくして盛大なため息をついた。

「…納得してねぇってツラだな」

その通りだ。だが、そんなこと。

「……関係ないんでしょう。オレの意志なんて」

「…もちろんだ。理不尽でも従え。元々世界は公平になんか出来てない」

初めてエレンが従順に頷くと、リヴァイは噛みつくようなキスをした。エレンはリヴァイの首に腕を回す。熱くて分厚い舌がエレンの舌に絡みついて全てを奪うようだった。

「ふっ…んぅ…」

エレンはたまらなくなる。


この人、悲しんでる。


リヴァイの高くなった体温がエレンに伝わり火照る。激しい口付けに応えながらエレンはリヴァイを思う。
自分の発言は間違ってはいない。己の失態で仲間を失った事実を誤魔化して流すなんて自分には出来ない。

でも、それがリヴァイをー…目の前の上官をやるせない気持ちにさせたのなら、それは大変な罪だ。

リヴァイの髪に指を通して撫でた。エレンはこの感触も彼の雰囲気も信念も好きだった。

エレンには何故、リヴァイが悲しんでるのかはわからない。
さらに言えば、リヴァイが自分をどう思って抱いているかもわからない。しかしそれはエレンにとってさほど重要ではなかった。リヴァイが自分をどう思っているかではなく、自分がリヴァイをどう思っているかさえはっきりしていればいい。

そんな極端な思考回路がリヴァイをどれだけヤキモキさせているか、結局はそれもエレンの知るところではないのだろう。


リヴァイはそんなエレンを責めるように、凶暴な快楽ばかり与えた。エレンの内側は火傷するかのように熱く蠢いていてリヴァイの肉欲を誘う。

「ひぃッ…あッアァアンんッ…兵長ぅ…んっんっ」

「……お前は何にもわかってねぇ」

子供のようにリヴァイの肩に額をつけるエレンの耳朶にリヴァイは噛みついた。それさえも刺激になるのか、エレンはびくっと飛び上がって享受する。終わりが近い。

「ヒッ!アッ!…だ、だめで……もぅッ…あ、ィ…」

どちらのものかわからない睡液が顎をつたって落ちる。エレンは目の前の普段の清潔さからは程遠い、髪型は乱れ、汗を流す艶然としたリヴァイにきゅうと締め付けてしまう。そして胸の内からほんのり湧き上がった願望をー…リヴァイに愛されたいという気持ちを押し隠した。

「エレン…」

「はぁっ!へいちょ……アッ、アッ、あっぁァアアああーー!!」


どうか、リヴァイに気付かれませんようにと願うと同時に二人とも達した。





ハンジ・ゾエはそこにいた。
エレンが寝ている地下室に。行為が相当辛かったのかエレンは深い眠りに落ちている。前髪をかき分けてやる。幼い寝顔だ。

「……エレンがわからないのは、君が言葉にしないからでしょ」

「……得意じゃねぇ」

ハンジは笑った。リヴァイが剣呑な目線を向けてきてもかまいやしなかった。

馬鹿な男だ。得意じゃないことくらい知ってるよ。でも言わないで後悔するのは君でしょう。私達は皆、いつ死ぬかわからないというのに。単純で簡単なことじゃないか。


(お前が死んだら、悲しい)


全て伝わるその一言を、どうしても言えない愚かな同僚をハンジは少し、いとおしくなった。
思えばそれは今は亡き2体の巨人を前にした時以来の情だ。

突然ヒューという風とともに冷えた空気が足下から伝わってきた。ハンジはエレンの布団を整えてやる。




あぁ、外では雨が降っているのだ。

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あきゅろす。
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