― あやり ―
72
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ぜぇはぁ…ぜぇはぁ…
えぇ…ページの初っ端からすみません…
く、くるしくて…
勢いよく走ったはいいもの、やっぱりおれは猫でして…小屋を出るころにはへばっていた。
で、でも!
おれはへ、へーかのもとへ行くんだい!!
ここで根性を見せなきゃ、どこで見せる!
あやり、いくんだ!
いくんだい…
いく…
…げふ。
…や、やっぱり、ちょっと遠すぎるみたい…。
このまま全力疾走していたら、酸欠で着くまでに死んでしまうぉ…
で、でも、早くへーかのもとへ行かなきゃいけないし…
そんなことで悶々していると
『あやり、何をしている。背中に乗って!』
『シロちゃん!』
助かった!!
急いでシロちゃんの背中に跳び乗る。
大型の獣だけあって、シロちゃんは高さがあり、それだけで視界が変わった。
『ごめんね、シロちゃん、重たいのに。』
『重たい?むしろ、軽すぎて乗っているかどうかもわからない。』
あ…、おれ、今猫だから軽かったんだ。
推定3キロ!
余裕で100キロ以上はあるだろうシロちゃんにとったら、3キロは微々たる重さなのかもしれない。
シロちゃんありがとう!!
『あやり、落とされないように踏ん張って。スピードあげていくよ。』
「うん!」
シロちゃんの肌に爪をたてるわけにはいかないから、肉球に力を入れる。
改めて、へーかのもとへ!!
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