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― あやり ―
72
***


ぜぇはぁ…ぜぇはぁ…


えぇ…ページの初っ端からすみません…


く、くるしくて…


勢いよく走ったはいいもの、やっぱりおれは猫でして…小屋を出るころにはへばっていた。

で、でも!

おれはへ、へーかのもとへ行くんだい!!

ここで根性を見せなきゃ、どこで見せる!


あやり、いくんだ!


いくんだい…

いく…

…げふ。


…や、やっぱり、ちょっと遠すぎるみたい…。


このまま全力疾走していたら、酸欠で着くまでに死んでしまうぉ…


で、でも、早くへーかのもとへ行かなきゃいけないし…


そんなことで悶々していると


『あやり、何をしている。背中に乗って!』

『シロちゃん!』



助かった!!


急いでシロちゃんの背中に跳び乗る。
大型の獣だけあって、シロちゃんは高さがあり、それだけで視界が変わった。


『ごめんね、シロちゃん、重たいのに。』
『重たい?むしろ、軽すぎて乗っているかどうかもわからない。』

あ…、おれ、今猫だから軽かったんだ。

推定3キロ!

余裕で100キロ以上はあるだろうシロちゃんにとったら、3キロは微々たる重さなのかもしれない。

シロちゃんありがとう!!


『あやり、落とされないように踏ん張って。スピードあげていくよ。』

「うん!」


シロちゃんの肌に爪をたてるわけにはいかないから、肉球に力を入れる。


改めて、へーかのもとへ!!



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