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― あやり ―
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***


朝日の光が窓からさしこむ、そんな時間帯。

おれの体内時計は近頃正確です。
けっして腹時計ではないからね!

ふぁぁ

大きな欠伸とともに目覚めると、目前に見慣れたへーかの麗しい寝顔があった。
へーかのお顔は何度みても飽きないし、相変らずいい匂いがするんだぉ。

おれ、いつの間にかへーかフェチになっている。
へーかのホクロの場所とか知っているもんね!
ほんと、へーか大好きです!

えへへ。

フェチとしてはずっと、こうしてへーかの寝顔を眺めていたいんだけれど、そうは言っていられないんだぉ。

ごそごそごそ。

布団から這い上がり、へーかの顔をぷにぷにの肉球でたたく。
一応起こしているつもりなんだけど、力が弱いのかへーかは顔をそむけるだけだった。

最近知ったんだけれど、へーかは寝起きが悪い。
低血圧のおれも悪い方だけれど、へーかはそれ以上!

毎晩遅くまで仕事しているんだから、それも仕方がないよね。

だから、おれがへーかを起こすことが日課となりつつあるんだよ。

『今日はどうやって起こそうかなぁ。』

よぅし!

まずは…へーかのお腹の上にのって、歩いてみる。
推定3キロの体重がのっているというのに、体はびくとも動かない。

へーかは見た目よりもガッチリしているんだぉ。
いわゆる細マッチョ?

え?おれ?
それは聞かないお約束!

てくてく歩いてみてもへーかは目を覚まさなかったので、次はお腹の上でぴょこんぴょこん跳ねてみる。

…しかし、これも効果はなかった。
おれだったら絶対、『ぐほっ』てなっていると思うのに…。

なんか、負けた気分だぉ…。

仕方がないので最終手段、耳元で「にゃあにゃあ」ないてみた。

さすがに、これは無視できなかったのか、へーかは目を開けた。

…が、

『わわっ』

へーかはおれの体を片手で抱き上げると、布団の中へ引きずり込んだ。

あれれ?
お布団の中へ逆戻り?

おれ、湯たんぽでも猫クッションでもないんだけど…。

ああ、でもいい匂い…。

ついうっとりしちゃうよ。

…て、こんなことをしている場合じゃないんだよ!



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