計画は思いのまま 6 噴水に悪態をつきながらも俺は、迷うことなく寮に辿り着けた。 まぁ、きちんと道は整備されているので、道を外れない限り迷子になることはないだろう。 林の中に入り込んでしまえば知らないが…。 困ったことと言えば、寮まで一時間弱歩かされたことだろう。 普通に疲れたし! 寮らしき建物が見えたとき、思わずホッとしてしまった。 それも一瞬のことだったんだけどな。 寮は、これまたバカでかかった。 何階建てだよっ!てくらいの高さと、高級ホテルなんじゃないかと勘違いしてしまいそうな外観。 縦・横・高さとも、すごい大きさ。 入り口はもちろんのごとく、自動ドアが設置されている。 つか、オートロックって言ってた時点で、嫌な予感はしてたんだ。 寮の前に着いた俺は、寮を見上げポカーンと口を開きしばし固まってしまった。 マジなんだよ、この学校…。 ガックリしつつ足どり重く、俺はオートロックが付いている自動ドアへ向かう。 高野さんから聞いていた通り、ドアの右側にインターホンが付いていた。 呼び出しボタンを押す。 ピーンポーンッ。 普通の音で心底安心した。 「はぁい、どなた〜?」 寮監さんは、結構軽い感じの方らしい…。 「お忙しい所すみません、外部から入学して来た今日入寮の柳瀬裕也です」 「あぁ、新入生!入学おめでとう。今そこ開けるから入って右の寮監室まで来てくれる?中まで入って来てくれていいから」 「はい、ありがとうございます」 そう言うのと同時に、オートロックのドアが開く。 ボストンバックを肩に掛け直し、ついに寮内へ足を踏み入れた。 すげぇ〜!! めっちゃキレイで、キラキラしてやがる。 たぶんロビーなんだろう入ってすぐ拡がるスペースには、ソファーとガラステーブルのセットが、いくつか並べられている。 それなのに、まだスペースはたくさんあり、広々としていてとても落ち着いた雰囲気を醸し出している。 床も石で作られており、ピカピカに磨きあげられていて一歩歩く度に、カツンッカツンッと音を鳴る。 [*前へ][次へ#] [戻る] |