拍手連載:マイソロ2
■ M001 (1/3) ■
■ようこそ、バンエルティア号へ■
◎主人公視点◎
気がついたら、空の上だった。
「え?」
ただいま落下中。
ちょ、これ、どういうこと?すごい勢いで落下中ですよ。
思いっきり重力の凄さを感じてます。ふわふわと落下しているならまだしも、段々とスピードが上がっている気がするのは、きっと気のせいじゃない。
あまりの出来事に、恐怖とかそんなの感じる暇もなけりゃ、叫ぶ余裕もなかった。
どんどんと地面が近付いている。下に広がるのは、海・・・?
そこに浮かぶ一艘の船。
このまま落ちればたぶん、船の上だな。
俺がそう思ったのと体に凄まじい衝撃を感じたのは、そんな大した時間の差がなかった。
もちろん落下の衝撃は和らぐこともなく、俺はそのまま意識を失ってしまった。
一体、俺が何をしたって言うんですか。
意識を取り戻すと、目の前に少女の顔が見えた。
「あ、良かった。気が付いたのね」
こちらに声をかけてくる少女には悪いけど、言葉を発する余裕はまだなかった。
ぼんやりする意識をはっきりさせようと視線を巡らせてみる。すると、少女の後ろから何かやってくるのが見えた。
本当、なんだよあれ。
ちまい小動物が飛んでくる。
しかもけたたましくしゃべっている。
なんだか俺を見てよりけたたましく騒いでいるけれど、なるべくそいつを見ないようにして少女の顔を見る。
「私はカノンノ。あなたのお名前は?」
「俺は・・・ユエ」
これが、俺と少女――カノンノとの出会いだった。
(あと、よくわからない小動物とも)
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