Novel
Switch*サナ様より相互記念>>Sweet trap【R*L】
春の陽気うららかな午後。こんな日はなんだか美味しいコーヒーでも飲みたくなる。
昨日は仕事も上手くいったし、ん〜どうしようかなーデザートも食べちゃおうかなぁ………よし、決ーめた!
「ミラさー…」
「えええぇーーー!!?」
食後のティータイムをまったり過ごそうとしたそのとき、ギルド中は、大声に包まれた。
Sweet trap
「…何?今の大声は…」
「さぁ〜?」
小首を傾げてみせたミラに、せっかく注文しようとしてたのに、とルーシィは頬を膨らませてみせた。
しかし、1秒後。
ルーシィはカウンターに突っ込んだ。
「…だからぁ、僕とルーシィは付き合ってるんだって」
何度も言わせないでよ、とどこか浮かれた声が否応なしにルーシィの耳に飛び込んできた。
(…あ、あのバカ獅子は〜…!)
突っ伏して怒りで震えている肩に、ミラがそっと触れて、そうだったの?と(少し笑いをこらえて)言ってきたので、
「ちっ…ちが…!!」
と、慌てて否定しようとした時。
「まぁやっぱり?」
「どうせそうだと思ってたんだよなー」
ははは、だよなー!てか、ロキばっかズルイって!
とかなんとか聞こえてくる外野からの口撃に、再度ルーシィはカウンターに頭をめり込ませた。
(え、え、何それ、ていうか)
「…私たち付き合ってた…?」
「え、違ってた?」
ひとりボソッと呟いた言葉に普通に返してきたのは、さっき爆弾を投下してくれた本人、ロキだった。
「あ、あ、あ、」
言葉にならない声を発するルーシィに寄り添い耳元で、どうしたの?と囁かれ、
「うきゃあっ!耳はやめっ!」
と、ルーシィは慌てて跳び上がった。
そう、実は。というか二人は別にお付き合いなどしてはいない…はず。
確かに最近ロキの様子が少し、ほんの少しだけ変わって、いつもの軽い調子がふとした瞬間に為りをひそめ隙のない感じになる。
例えるなら…
(…獲物を前にした猛獣のような)
………ってなにそれじゃあ私が獲物?
いやいや、でも…。
…………。
(…あ〜〜もうっ!!)
「とっとにかく!あんた何みんなにかましちゃってくれてるのよ!」
一体どういうことよ!と微妙な距離を保ちつつ詰め寄れば、
「だって、そうなればいいなと思って」
と、普通に。それこそ、やあ今日もいい天気だね。ぐらいの普通さで。
「な…なに普通に言ってんの…」
一瞬脱力しかけたルーシィだったが、そっと、でも離しはしないというような力強さで手首をつかまれ、ビクリとロキを見上げた。
「…なに」
あ、しまった。固い声でた。とはっとなるルーシィを見て、ロキはちょっと困ったような顔をしてにこりと微笑んだ。
「…ごめん、やっぱり、迷惑だったよね」
少し焦っちゃったみたいだ、と言って掴んでいた手を離し、表情を隠すようにして俯いたかと思うと、身をひるがえしてギルドの入口から出ていった。
(………なによ、それ)
残されたルーシィは、絶対自分の方がいい迷惑してるはずなのに、なんだかこちらが悪いことをした気分になってしまっていた。
そりゃ確かに、いや実際に付き合ってるわけじゃないし、あんな風にみんなの前で言われて腹がたったし、それに、それに…
(…それに、私の気持ち聞いてないじゃない…)
いつもそうだ。ロキは私に自分の気持ちばかり押し付けて、私の気持ちなんて聞いてくれない。
いつも、いつも…。
(………勝手なんだから!)
「…ちょっと!待ちなさいよ!」
そう叫んで、ルーシィはロキの消えた入口へ向かって走っていった。
そして、入口を出たところでぱっと辺りを見回した………とき。
「なんだい?ルーシィ」
すぐ側から聞こえた声の方へ顔を向けると、そこには入口横の壁にもたれたロキの姿があった。
確信犯の笑みをしたロキを見て顔が熱くなる。
(は、はめられた………!!)
「そんなに必死に追い掛けてきてくれるなんて、やっぱぶべっ」
嬉しそうに手を伸ばしてくるロキを問答無用で張り倒すと、ルーシィはまたギルドへと戻っていった…。
* * * * * * *
(あら、ルーシィったらもう帰ってきちゃったの?)
(いいんです!あんな奴!)
せっかく、自分の気持ちに少し気付いたとこだったのに…!!
(真っ赤な顔しちゃって、ルーシィってば嘘が下手なんだから…)
* * *
Switchのサナ様よりいただいてしまいました!文章コピー機能のない私のアホ携帯のために、わざわざメールで……っ!本当にありがとうございましたサナ様!
むふふ、動揺するルーシィがかわゆいのですっ。あとロキのお約束のように待ってるところ。あれこそ張り倒しちゃえルーシィ!
これ見た瞬間テンション上がって大変だったんだぜ(笑)!本当にありがとうございました!
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