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やっぱり男の人って皆
獣だったのね。

私は助手席から運転席の
ソエジマさんの膝の上に移動した。

ただギュッと抱き付いて
彼の反応を見るために。




……何もして来ない。

「アヤナちゃん、
アヤナちゃんは恋をした事ありますか?」


「………は?」

ソエジマさんはそう言うと
私を強く抱き締めた。

「僕は君ぐらいの歳に恋をして
人を愛する喜びを知りました。

夜のプールに忍びこんだり
色々デートもしました。
若かった。今思えば美しすぎるほど

美しい日々でした。」


そんな事私に言ったって
関係無いじゃない。


「僕は一生を彼女に捧げる気でいました。

だけど3ヵ月前
彼女はもうこの世を去ったんです。」


ソエジマさんは泣いた。
手はガタガタに震えて腕の力だけで
私を抱き締める。

指に力は入っていない。

心臓は嫌と言うほど早く動いていた。

「ソエジマさん、さびしいんでしょ」

「…はい。」

「だから"しても良いよ"って言うの?」

ソエジマさんは車を降りようと
私に提案した。

波打ち際でその答えを聞くことにして。



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