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珍しい来客@





 小春が纏まった書類を銀の執務室に持って行くと、そこに銀の姿は無かった。

 代わりに、久しぶりに会う男がいる。


「こんにちは、小春さん。

 お久しぶりですね」



 女性のような美しい顔立ち……

 最上の水蓮歌だった。


「スイさん、いらっしゃてたんですか」


 小春が嬉しそうに微笑むと、スイの微笑みも更に強まる。


「えぇ、仕事の件で銀に用がありまして。

 どこかの軟派狐とは違って、口説きに来た訳ではありませんから安心してください」


 彼が笑顔で皮肉るのは、恐らくあの男のこと。


「あ〜……それって、灯の事ですか?」


「はい。何でも彼、貴女が来てからますますここに居着くようになったそうですね」


「確かに……よく、来ますけど……」


 あれからトウは、三日に一度は顔を出す。

 前々から、用が無くても週に一回くらいは顔を出す狐だったらしいのだが……

 "小春が来た途端にこれだ"と銀も呆れていた。


「あまり嫌わないでやってください、ああ見えて彼、寂しがりなんですよ」


「嫌うだなんてそんな……っ
 寧ろ好意的にしてくれて嬉しいです」


それを聞くと、スイは穏やかに笑う。


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