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廊下の小春





 その後……

 小春はため息混じりで仕事場へと向かう廊下を歩いていた。


――自分でって言われても……どうやったら思い出せるのか何て分からないよぉ……


 不安とプレッシャーと、不鮮明な記憶に対する恐怖……

 封じられたということは、何らかの問題があるということだろう。

 思い出した瞬間に、心が引き裂かれるような記憶だったら思い出したくはなかった。



――でも……


 悪い記憶とは、限らないかもしれない……

 銀があの夢の正体を……

 封印された記憶を小春が思い出すことを、強く望んでいる気がするから……


――きっと……あの夢……銀と何か関係があるんだ……

――銀、何度も言ってた

――覚えてるとか、覚えてないとか……

――もしかして私、本当は銀のこと、昔から知ってたの……?


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