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中庭E

「……あ〜あ、俺、小春の付き添い失格だな」


 唐突に、灯が呟いた。


「え……?何で?きちんと守ってくれたじゃないっ」


「ん〜……そうかもしんないけどさ、結果的に小春が傷ついたんじゃ意味無いよ」


「灯……」


 自らを責める灯に、掛けるべき言葉が見つからない……

 "大丈夫、傷ついてなんか無い"

 言おうと思えば言える言葉だった。

 けれど敢えてそれを言わなかったのは……

 もう自分たちは、そんな上辺だけの取り繕いで誤魔化すような関係ではないと思ったから……

 それよりも、本当の気持ちを伝えたかった。


「それは、突然のことだったから吃驚したけど……

 でもね、灯がいてくれたから……少しは安心していられたんだよ?

 だからさ、灯は付き添い失格なんかじゃない。

 しっかりと守ってくれてたよ?」


「小春……

 ありがと」


 穏やかに笑う彼を見て一安心。

 と、そこへ銀が慌てて駆けてきた。


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