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カップリング小説
スターダスト保育園≫4月4日,5日

4月4日の夜
春とは思えないほど冷える


「ママ、外さみーよ」
「そうね。ちゃんとコート羽織りなさい」
コートを渡すとジョセフはボタンをつけた

「ふふっボタン掛け違えてるわよ」

「ほんとだ」

リサリサは屈んでボタンの掛け違いを直した

「そんじゃいってきまーす」
「待ちなさい!」

早く行きたいのにーとしかめっ面をしてクルッと振り向くと目の前に綺麗に包まれた箱があった
「わすれるとこだった」

「ジョセフはこんな夜に何しに行くの?」

「んーと、ジョナサンに会うために…?」

「なんで疑問形なのかしら」
おでこにピンッと指を弾くと「いてっ」とジョセフはおでこを小さな手で押さえる

「ジョナサンの家は覚えてる?」

「ここのとなりのとなり!なんどか行ったことあるじゃん」
「正解よ。寄り道しないようにね」
「しないぞ!いってきまーす」
「いってらっしゃい」

パタンと余韻を残して扉が閉まった

「あの子大丈夫かしら…」
エリナに電話はしたけど、ジョセフのことだから……何か壊したらと思うと…お金100万ぐらいおろしたほうがいいんじゃないかしら

……起こった後でおろそう

「ジョセフがいないと静かね…。ワインまだあったかしら…ホリィさん誘って飲みましょ」








「プレゼント持った?寒くない?」

「なってる」
「あら電話!花京院くん承太郎をよろしくね」

「はい」



ポケットにあるホッカイロをぎゅっと触ると熱が伝わり手が暖まる

「…心配しすぎだろ」
「心配してくれるなんていい親御さんじゃないか」

花京院のマフラーが獅子舞のように踊る

「……まぁな」

空を見上げると数えるのが面倒臭いと思うほどの星がきらきら光っていた
花京院の親が送ってくれるので待ち構えてた車に乗り込むと暖房がきいていた

「お願いします」











「おじゃましまーす」
家の中に入るといい匂いがする
出迎えてくれたのはエリナ

「こんばんは!」

「いらっしゃいジョセフくん。ほら、ジョナサン」

正装のジョナサンを見てジョセフはぎゅうっと抱き着いた

「ジョナサン!はっぴーばーすでいッ!!……ついでにディオも」

「ジョセフ、ありがとう。ぼくうれしいよ」
「ついでとはなんだ!?ついでとは!」

「廊下じゃ寒いわ」とエリナに言われリビングに行く
テーブルの上には御馳走がずらりと並べてある

一人席に座っておりジョセフは驚いた

「よっ」

「あれっシーザーちゃんもういるの?はやくね?おれ走ってきたのに」

「おまえとは違ってオレは余裕をもって行動するからな」
ふふんとシーザーがどや顔するがジョセフは「へー」と受け流す

「ジョナサンこれ」
「ん???」

「プレゼント!ジョナサンに!」

「えっあけてもいいかい!?」

ジョセフが頷く
同時にピンポーンとなる
「タイミングわる!だれだッ」
「落ち着け。どうせあいつらだろ」




「はーい」とエリナは玄関の扉を開く

「こんばんは」

「こんばんは。来てくれてありがとね。さぁ中に入って」

「おじゃまします」
承太郎は靴を脱ぎリビングに向かう

「あの、親がエリナさんに、と」
紙袋を花京院に渡されエリナは中身を確認した

「ありがとう。助かったわ!」
助かったという言葉に何が入ってるのか気になるが花京院も靴を脱ぎ承太郎の分も揃えてリビングに向かう

「食べる前に、みんな手を洗ってきて」
「はーい!!」

列ができ
「ディオさっさと洗えよ」
「亀よりおせぇ」
「うるさい」
と洗面所は賑やかだ

手を洗い全員席に座った

ジョナサンとディオに聞こえてるのにも関わらず「せーの」とジョセフが合図し声を合わせる

「ジョナサン&ディオ誕生日おめでとう!」

クラッカーがパァンッと盛大に響いた











ぐおーと盛大ないびきが響きわたる
「ジョセフは寝るのがはやいね」
「バカはすぐ寝る」
「承太郎、それは違うと思うよ」

「ねる子は育つから」

「シーザーはジョセフにあめぇ」

「一理ある」

「弟のようなものだしな」

「それだけかい?」

「それだけだよ。それ以外なにかあるのかノリアキ」

「……親友とか」

「4歳だぜ…?」

「なんで承太郎がこたえるんだよ!ツッコミいれないでくれ承太郎のくせに」

「………」

「…ドンマイ」
「…うるせ」

「それじゃあ、ディオはなんでジョナサンをいじめるんだい?ってどこに行ったんだ、いないじゃないか」

「ディオはジョナサンと一緒にねるってでていったよ。たしかジョセフがねるまえのマクラなげの時に」

「………」
「……あ?」

「…え?なにかもんだいあるのか?」

「もんだいあるかって…あるだろ」

「まって承太郎」

「花京院…とめるな」

「僕も行く」

「……わかった」

「シーザーはどうする?」
「ねみーからジョセフとねる」
「りょーかい」








階段を上りジョナサンの部屋に音を鳴らさず忍び寄る一つの影

「ジョナサン…」
ディオは寝息をたててるジョナサンをぐらぐらゆらす

「んー…でぃお……ディオ!?」
「バカ、しずかにしろ」
「あ、ごめん」
なんでぼくがあやまっているんだろとジョナサンは思った

「となりいいか?」

「いいよ」

「…いい匂いがする」
「食べものの匂いついてた?」
「ちがう。これは、シャンプー」
「ディオもおなじのつかったでしょ」

「オマエのがいい匂いがする」

「くさいの食べたの?」
「食べてない」

「……そういえば、でっかいケーキきるのはじめてだったよ」

「あれみたいだったな」
「あれってなに?」

「結婚式のケーキにゅうとう」
「えっぼくディオとけっこんしたの!?」

「は?だれがオマエのようなぶよぶよな奴と…もっとやせたら考えてやってもいいがな」

「お肉おいしかったんだもーん。エリナのりょうりはせかいいちィ 」

「…キサマねぼけてるだろ」

「そーだよねぼけててなにがわるいっ」

「たまには…わるくない」


「でぃお、ちかい…」

「おやすみのキスだ…うごくな」

「ちゅーはけっこんするひとじゃないとだめだって、エリナいってたよ…」

「そんなの知るか」

「…………」
「…背中をみせるんじゃあないッ」

「ぼく、好きなひといるからむり」

「あぁ、エリナか」

「え!なんできみがしってるんだい!?」

「うるさいアホが。みんな知ってるだろ」

「う………はずかしい」

「あきらめろキサマじゃあ相手にしてもらえない」

「年なら気にしないよ」

「ふん、キサマが大人になるころには生きていないかもな」

「…生きてるもん。もう…ねりゅ…」

「………おい」

「………」

「むしするな」

ぐぅと寝息が聞こえるとディオはジョナサンのおでこにキスをしようと手で前髪を上げた瞬間

ドアが開き二人が立っていた

「手ェだすんじゃねぇ」
「おじゃまするよ」

「キサマらの寝るとこはここにないぞ」

「オマエはべんじょでねてろ」
「ぼくらがトイレつかえなくなるじゃないか」
「…それもそうだな。ということで床でねてろ」

「いやだね」

「あ?」

「指図されるおぼえはない」

くしゅんッと眠っているジョナサンがくしゃみをする
花京院はチャンスだと思い説得をする

「それは一人用ベッドだ。二人で寝たらジョナサンがかぜをひいてしまうから大人しく部屋にもどってきてくれないかい」

「………」
俺は風邪を引かない設定か!とでも言いたげな
不機嫌な顔がますます不機嫌になりディオはベッドからおりて三人で部屋に戻る
ジョセフとシーザーの心地よさそうな眠りを見ると眠気がきて寝た







眩しい光が部屋に降り注ぐ

子供たちの中でジョセフが一番早く起き「おっせーなー」と文句を言う

エリナと一緒に朝食をとり食べ終わる頃にシーザーが起き、ジョセフが顔を洗ってないと知ると「洗うぞ」と洗面所に連れ出す

「シーザーくんはジョセフくんのお兄さんみたいね」とエリナに言われシーザーは照れる


ディオと承太郎がほぼ同時に起き喧嘩勃発 ( 枕投げ )
煩さで意識はあったもの眩しさで目を開けたくないなと考えていた花京院の顔に枕がぶつかる
花京院が目覚め「うるさぁぁい!!!」とキレて喧嘩は治まった
一番煩いのオマエだろと二人は思ったが口にはしなかった


ジョナサンが起きる昼頃には各々迎えが来て皆家に帰っていた




「えーぼくのたんじょうびなのに」

「誕生日は昨日でしょう。口じゃなくて手を動かして」

4月5日はエリナと一緒に後片付けをした
花京院がエリナに渡した紙袋の中身(清掃用具)がこの日役に立った

「すごい!きれいになってるよ!」
ジョナサンも気に入る掃除アイテム効果は凄まじかった



遠いようで遠くない未来
ジョナサンはスケジュール帳を買ってもらい、誕生日の次の日は「片付け」と書かれているのであった
スケジュール帳をディオに見られ、勘違いされ事件に発展するのはまた別のお話で

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あきゅろす。
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