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神威夢シリーズ
第五訓:女をなめてかかると後々恐ろしい
阿伏兎に色々な事を説明された夜、蓮は死んだようにぐっっすりと眠った。


慣れない環境に体も心もボロボロなのだ。
それに加え、阿伏兎の数々の告白には衝撃的なことも多かった。
この宇宙船は春雨だとか。
春雨だとか。
春雨だとか……。
なぜ、自分が宇宙海賊春雨の宇宙船にいるのかがわからない。

神威に連れ去られたからなのだけど………。
なのだけど!人生計画とか立てない自分だけど、春雨で生活する未来なんてなかったよ!

そんなことを考えていたら、いつの間にか意識がとんでいた。


***
何時間寝たかはわからないが、寝過ぎでボーとなった脳を叱咤してぼんやりと目をあける。
緋色の枕が温かくて気持ちがいい。
緋色の枕が。
………緋色!!!???
まさかと思い目を開けると目の前で、どこかで見たことがあるアホ毛がピコピコゆれている。
「く、曲者ーーーーー!!!」
ありったけの声を出し、アホ毛の主を蹴りだそうとするが、足は見事に宙を蹴った。
ベッドから、がばっと体をおこすと神威はケタケタ笑いながら床にあぐらをかいている。
「神威………さん、あんた…何してんの?」

額に血管を浮き上がらせつつも、つとめて冷静に蓮は問う。
「『神威………さん』って、“さん”をつけたくなきゃ別につけなくてもいいよ」

「人の話を聞けぃ!!!!!」
蓮の前にちゃぶ台があったら〈名物!キレる昭和の父ちゃん〉がみれたのに。と、残念がる神威に気付いた蓮が神威が夜兎だということを忘れ、つかみかかると、あっさり立場は逆転。
神威によって床におさえつけられた。
「あの…団長様、何をなさって?」

「やっぱり地球産は弱いね」
そんなことをいいながら蓮の首に顔をうずめる。
蓮の首に神威が息を吹きかけ一気に鳥肌がたつ。
「うぎゃぁあ!!!離してぇ!マジ勘弁!」
体をばたつかせようとするが神威がおさえつけているせいでばたつかせるどころか、蓮の体はピクリとも動かない。
「おぃ。何、ちちくりあってんだ。」
そこへ、騒がしい声が聞こえてきた蓮の部屋に様子をみにきた阿伏兎がやってきた。
「阿伏兎〜〜〜!助けて〜」

「何しにきたんだよ。せっかくこれからいいとこだったのに」

「なにが『いいとこ』だ!ボケッッ」

涙をためて今にも神威に掴みかかりそうな蓮と、それをみてケラケラ笑っている神威に阿伏兎は盛大なため息をつく。 蓮が来てから何回目のため息だろう。
「あんたらがうるさくて様子をみにきたんだよ。
そんで、団長、獣姦はやめておけ」
阿伏兎のとんでも発言に目を丸くする蓮。
「なに、さらっと18禁ワード言っちゃってんの!………ってか、私、動物あつかい??」

「蓮は、俺のペットじゃないの?俺、春雨の乗務員にも蓮は俺のペットだから手を出すなって言っちゃったよ」
今度は神威のとんでも発言に蓮はついにぶちキレた。
「私は、あんたらに誘拐された、被害者!!言葉のいみわかる?
神威に飼われた記憶はないし、ペットだなんてこっちから願い下げだわ!!」
蓮は最後に中指をたて、「なめんじゃねぇ」と言うと、ドアを壊れるんじゃないかと思うほど、勢いよくしめた。




**あとがき**
続きます

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