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全てを無限の可能性に染める色。(黎百)
たった一文字で、人生は変わる。
それが例えば“紅”であったなら、その運命はひたすら紅に縛られて。
そうでなかったら、その手に無限の自由を得るかもしれない。
「だから君は、“李”をあの子にあげるの」
「そうだ。あれは紅家とは無関係だ」
「―――…そう。なら何も言わない。珍しく君が決めたことだし。“李”絳攸かぁ、すごく良い名前だと思うよ」
何もあの子を縛ることのなく、どうか自由に生きて―――…。
そんな隠れた意味に、賢さの片鱗を見せ始めたあの子が気づく日はきっと来る。
「でもきっと、いつかあの子が疑問を抱く日もやって来るね」
君が大好きな李を、あの子は恨むかもしれない。
「そう、だな」
「それさえも自分で乗り越えろって、言うんだね」
紅。
ただそれだけで全てを縛ることのできる色。
「何もかも一人で背負わないの。似合わないよ黎深。大丈夫、仕方ないから私も傍に居てあげる」
だからきっと、いつか黎深は絳攸を手放すのだ。
○●後書き的な。●○
新刊(黎明)発売前のものです。
ちょっとだけ予想?
黎百夫妻大好きです。もち絳攸もね!
李絳攸名づけ話ー。
著:2008・1・23
UP:2008・6・27
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