*ss*
hevenly days
愛情を注いでくれる存在がいるだけで、こんなに幸せな気持ちになれるなんて、劉輝は知らなかった。
そう、今までは。
「眠くなったか?」
欠伸をかみ殺した劉輝に、清苑は微笑みながら聞いた。
夜更けに清苑が劉輝に勉強を教えるというこの行為は、今ではもう当たり前のことになっていた。
寝ても良いと言う清苑に、しかし劉輝は首を横に振る。
「いいえ。せっかくこうして兄上と居られるのですから――――…っふ」
と言いつつまた欠伸。
どうやらまだ幼い劉輝には、少しばかり遅い時間のようだ。
困ったような顔で笑う清苑は、劉輝の頭をなでながら言う。
「もう寝なさい。君には少し遅過ぎた。明日はもっと早めに来るから」
「兄上だってお忙しいではありませんか。毎日剣術や学問に明け暮れて…」
「大丈夫。君の為ならね」
清苑の言葉に安堵したのか、劉輝のまぶたがゆっくりと下がり始める。
「夜が明けなければ良いのに…」
夢か現か分からぬほどの微睡みの中で劉輝は呟く。
それは、清苑に出逢う前に願っていたのとは真逆の言葉。
そう、貴方が教えてくれたのは、幸せという名の気持ち。
○●後書き的な。●○
ものっそい尻切れ蜻蛉。
CP要素はないんじゃないでしょうかね。
清苑&劉輝。在りし日の紫兄弟。
劉輝の口調が大人過ぎる気がします。反省。
著:2008・2・18
UP:2008・7・7
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