私は君に恋をする 彼女彼等との休日の過ごし方2 ここか、夏目さんが言ってたホームセンター。 電話したほうがいいかな? でも案外すぐ見つけられるかも。 私はあの後、何だかんだ気になってた鶏小屋作りに加わることにした。 図書室で夏目さんとササヤンくん、そして意外にも吉田くんと連絡先の交換をしておいたので、私は1番話しやすい夏目さんに連絡し、今ホームセンターにいるというわけだ。 私が入口に差し掛かった所で、ちょうど柄の悪そうな男の子達が出てきたので、私はビックリして早々に店の中へ入った。 一瞬絡まれるかと思ったけど、それは杞憂に終わったので、私は安心して胸を撫で下ろし、夏目さん達を探すことにした。 まさかさっきの柄の悪そうな人達にまた会うとは、この時の私は考えもしなかった。 そして同時に、彼の事をこんなに好きになるとは、私はまだ知る善もなかった。 「あ〜、やっと見つけた夏目さん。 もう、すんごい探しちゃった。 意外と広いね〜、このホームセンター」 「 よくぞ来てくれました!! わたし1人で、もうどうしようかと思ってた所で……」 「?」 話を聞くと、水谷さん達は不良に絡まれ、吉田くんが不良を投げ飛ばし?3人は店を出ていったみたい。 それで水谷さんと吉田くんは一緒にいて、ササヤンくんが荷物持ちに来てくれるそうなので、それまでに材料を買っておこうと言うことらしい。 「そっか、分かった。 じゃあ早いとこ、材料買っちゃおう」 「はい!!」 材料も買い終え、私と夏目さんはササヤンくんと合流し、水谷さんと吉田くんの元へ向かっていた。 「 そう言えば苗字さんの用事って何だったの?夏目さんと一緒にいるから驚いたよ」 「あっ、実はわたしもそれ、気になってました!!電話もらったときは、本当ビックリしたんですけど、嬉しかったです!!」 「あー、用事ねぇ…。んーと…簡単に言えばバイト?みたいな、感じ?」 東さんとの事を思い出し、なんて説明すればいいか悩んだけど、 確かにバイトと言えばバイトだし。 それに、夏目さんとササヤンくんは納得したのか、それ以上は聞いてこなかったから良かった。 そして水谷さんと吉田くんとも合流し、鶏小屋作りを始めた私たちであった が 「木ー切るのって、めんどくせえ」 「だから店でカットしてもらおうって言ったのに」 「だいたいこんな立派な小屋、オレらだけでってのがムボーだよねー」 「それでも、いちばんわかりやすいサイト選んだんですけどね…」 「果てしないねー」 もうみんなでげっそりしてると、みっちゃんさんが様子を見にやって来た。 「お、なんだなんだ。もうへばってんの? そうだ、電動ノコギリとかいる?」 「あるなら早く言えよ!! ったく、ちょっととってくる」 「あ、わたしアイスでも買ってきます。 なにがいいですか?」 「オレ、ガリガリ君ソーダ!!」 「私、ジャンボチョコモナカ」 「じゃあ私、バニラのカップアイス」 吉田くんは電動ノコギリを取りに、夏目さんはアイスを買いに行ったので、私はその間トイレに行くことにした。 鶏小屋作りは思っていた以上に簡単ではなく、私はかなり疲れていた。 思えばもの作りとか私苦手かも、嫌いではないけど不器用なのか上手く作れなかったな… 電動ノコギリで木を切っても、組み立てが上手く行くかが不安だなー そんなことを悶々と考えながら戻ると、柄の悪そうな人達が水谷さんに絡んでいる所だった。 てか、水谷さんって吉田くんが好きなんだ…、へぇー そこに電動ノコギリを持った吉田くんが現れ、一層騒がしくなった。 完全に出るタイミングを逃した私は遠くからその様子を眺めていたが、キャップを被った男の子と目があった次の瞬間 「うわ〜、マジかわいい!!」 「かわいい!!」 そう言うや否や私めがけて走ってきたので、私は怖くなってギャーと叫びながら持っていたバックで、おもいっきりその男の子を殴ってしまった(顔面)。 その反動でキャップを被った男の子の後から走ってきた背の高い人も巻き込み、2人は派手に転んだ。 「…あの、本当にごめんなさい……」 「いや、全然大丈夫!!なっ?」 「おう、怪我もしてねーし」 「…てかさー、もう抱きついたりしないからもうちょいこっち来ない?」 「そうそう、オレらも反省してるし」 顔面を殴っても彼らは怒らず、へらへら笑って許してくれたので、とりあえず安心したけど、絶対に近寄りたくはない!! だから私は1番安全な水谷さんの側を離れず、彼らと距離を取りながら様子を伺っていた。 そこにアイスを買いに行っていた夏目さんが戻ってきた。 「アイス買ってきましたー!! 寄り道してたら、ちょっととけちゃいましたけどー!! ぎゃっ、増えてる!!」 驚いた夏目さんにお帰りと言いたかったけど、さっきのキャップの人と背の高い人が、夏目さんにかわいいと言って詰め寄っていたので、諦めた。 [*前へ][次へ#] |