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noive――*
――Milk tea*


―――――――――

私は甘い恋がしたかったの。
ミルクティーみたいに甘くい恋…

でも、ミルクティーは苦くて真っ黒なコーヒーになっちゃった。

“貴方がコーヒーだったから。”

甘いはずだったミルクティーの恋は
貴方のせいで苦くて真っ黒なコーヒーになっちゃったよ。

――――――――――――――――――――――――
“ 別 れ よ う .”

今日私が彼氏から言われた言葉。

昨日まであんなに幸せだったのに…どうして?

私の彼氏…隼人はあんまり愛情表現が上手じゃなかった。
だけど、しっかり伝わってたよ?

たまにしか言ってくれない“好き。”
さりげなく守ってくれる優しさ…

どうして別れてしまったんだろう。

考えても考えても理由は見つからない…
出てくるのは涙だけだった。

ハ「千愛ちゃん!元気だしてくださいっ」

そうやって私を励ましてくれる友達。
ハルは明るくて元気なこ。誰にでも優しい私の親友。

千「…うん。ありがとう」

心配かけないように、と作った笑顔だったが
ハルは悲しそうな顔をして笑った。

きっと私の顔、ひどかったんだろうな…

隼人は私に別れをつげてからすぐに帰っていった。

私と一緒にいるの嫌だったの…かな。
そんなことを考えて、また涙が止まらなくなった。

綱「大丈夫っ?どこか痛いの?」

慌てて心配しているのは隣の席のツナ君。
隼人の一番のお友達…

誰にでも優しくて可愛い感じの男の子。

千「ごめんね。大丈夫…だよ」

そうやって笑って見せた。

ツナ君は心配そうに私を見つめた。

千「ん…?どうかした?」

涙で真っ赤な私の顔を見ているのかな…。

綱「泣かないでよ…。」

聞こえるか聞こえないかくらいの小声だった。
優しい人。ツナ君は優しい人だな、と思っていた。

このときまでは…。

授業も隼人のことで全く手につかなかった。
授業中に涙がでるときもあった。

そのたびにツナ君がこっちを見てた…
心配してくれてる…のかな。

綱「先生!神崎さんが具合悪いそうなので保健室に連れて行ってきます。」

…・・・え?

千「え?…あ、あのっ」

先「おう。大丈夫か?行って来ていいぞ。」

私が具合悪い…?
もしかして気遣ってくれたのかな?

千「ツナ君っ!私、具合悪くなんてないよ?…」

ツナ君は無言で私の手を引っ張って歩いていく。
どうしたんだろう…

つかまれた手が痛い…。

千「ねえっ…ねえ!どこにいってるの?保健室じゃないっ…」

連れてこられたのは音楽室。
私が今日の朝、隼人にフラれた場所…

綱「今の顔は隼人のこと思ってたから?」

・・・・へ?
顔を上げてツナ君を見た…。


こ の 人 は 誰 ?


ツナ君?
違う…ツナ君は優しくて可愛い男の子…なはず。

今私の前にいるのは、笑っている…けれど怖い。
悪魔のような微笑を浮かべた男の子。

これはツナ君なの?

千「…違うよ…。」

きっと隼人から別れたこと聞いてるんだよね。

綱「嘘つかないでよ。隼人のことなんだろ?」

どうしてそんなに聞いてくるの?
思い出したくないのに…

千「・・・そうだよ。フラれたの!」

私は泣き崩れた。

綱「なんで泣くの?どうして?」

千「辛いから…隼人がまだ好きなのっ…グスッ…っ」

私がそういった瞬間、空気が凍ったような気がした。

前にいるツナ君。
いつものツナ君じゃない…。

悪魔のようなオーラ。
怒っている目。顔。

“怖い。”

単純にそう思った。
そうしか思えなかった…。
思わず鳥肌が立つ…

千「…っ!怖い…よ」

怯える私にツナ君は笑いかける。

綱「なんにもしないよ?千愛にはね。」

そうやって私の頭をなでる。

千「っ!…隼人っ…隼人…グスッ…は…やとっ」

私はただひたすら助けを求めるだけ。
目の前にいる悪魔から逃げたい…

隼人…助けて…っ。

綱「あーあ。助けに来てほしいよね?」

クスクスと肩を震わせて笑うツナ君。

綱「まあ、俺が殺しちゃったからこれないんだけどね?」

この人はなにを言ってるんだろう?

隼人を…殺した?

千「ころ…した?」

ツナ君は面白そうに笑って応える。

綱「そうだよ?殺しちゃったの。」

当たり前のように応えるツナ君。
この人はなんなの?

千「…なんで?どうしてっ!?」

泣きながらツナ君にしがみつく。

綱「なんでって千愛のせいでしょ?」

私の・・・せい?

綱「俺は千愛のこと好きなのに。どうして隼人なんだよ」

言われた言葉が理解できない。

自分が好きだから隼人を殺したの?
そんな自分勝手な理由で…

千「…おかしいよ…。そんな自分勝手な理由で殺すなんて…」

私は泣きすぎて言葉が上手くいえない。

綱「千愛は俺のなの。手を出した隼人が悪いだろ?」

そうやって笑う悪魔。

一 生 は な さ な い よ ?

耳元で悪魔のささやきが聞こえた。

―――――――――――――――――


次の日の学級には欠席が二人。

獄寺 隼人

神崎 千愛

二人の行方は誰もしらない…。

悪魔以外の誰も。

――――――――――――――――――――――――
真っ暗な部屋に光が見える。

光から出てくるのは大きな羽をもつ悪魔。

「いいこにしてた?」

・ ・ ・ た だ い ま 、 千 愛 。


二人の行方は誰も知らない。

悪魔の秘密。

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