[携帯モード] [URL送信]

副会長と麗しき仲間たち
握力だけは誰にも負けません!
*橙里side*

一体、あの目は何だったのだろう。

俺が口を開いた瞬間、アイツは。大嶺悠斗は――――急に冷たい・・・・鋭い目つきで俺を見た。

実は以前、俺は族の総長なんかをやってたりもした。若気の至りだよ!!!
当然の様に強い相手と戦って、当然の様に勝って。だからこそ、こんな風に 怖い と思う相手なんて誰一人としていなかった、はずなのに。

「副会長・・・一体何者なんだ??」

あの目が脳裏に焼き付けられたように、俺の中から消えない。

「・・・・ぁ。」

嘘、鳥肌たってるし。人の目を見て鳥肌―――今まででこんな事あったか?

人生で初めて畏怖を抱く存在が出来た・・・そう思うと、なぜか俺はこれから起こる事が待ち遠しいような気がしてたまらなかった。


きっと、きっと楽しい事が起こる様な気がするんだ。

*   *   *

副会長と別れてから早10分といった所だろうか。

「あれ・・・・・この部屋って、勝手に入って良いんだっけ・・・・?」

まー俺の部屋になるんだから良いよな、と自分に言い聞かせて入ることにした。

「叔父様・・・外見にはやたらとこだわってんのに、鍵は普通のヤツじゃん。」

そう、実は理事長が俺の叔父さんだったりする。

変なトコに金を使いすぎて、肝心なトコは適当。というか金が足りなかっただけじゃないの?
派手好きで大雑把、無計画という性格が浮き彫りになっていた。
(つかさっき、理事長室で副会長を口説いていたような気がするんだけど・・・・。)
糞変態理事長だった。

うーん学生寮の内装からして、鍵もカードだと思ってたんだけどな。読みが外れた。

ガチャリ

鍵を開けて中に入る。すると。

「ねぇ凪山クンってば、良いデショ?やろうよぉ〜。」

「あ゛ぁ?誰がテメェ何かと・・・つか、お前どこから入ってきたんだよ。」

そんなやり取りが廊下まで聞こえていた。恐る恐る声が聞こえてくる扉から覗いてみる。

男同士でイチャってた。というか、小さくて女の子っぽい方が一方的にって感じだけど。
ピアスをつけた『凪山クン』と呼ばれた奴が眉間にしわを寄せていた。おいチビ、相手嫌がってんだろやめとけよ…。

そんな思いは届くはずも無く。

「ねぇ凪山くんってば「黙れ。お前なんか相手にすっかよ。・・・さっさと出て行け。」――っ!!」

あーやっぱりな・・・・。
『凪山』は、体形からして喧嘩に慣れている。いや、慣れているどころじゃないだろう。

そんな人を怒らせて痛い目みるのは自分だ。まぁ今回はその事に気付いていないあのチビが悪かっただけの話。

―――バタバタッ

チビが逃げる瞬間、扉の横にいた俺を睨んで来た。おいおい今のはお前の自業自得だろ。
まー覗き見っぽい事するのも悪いか。ごめんごめん。

「おい、てめェまだ居るのか。早く出て行け・・・って、あ?お前誰?」
「あ、どうも初めまして。今日から同じ部屋で暮らす、浅見 橙里だ、す。よろしく・・・お願いします。」

たどたどしい敬語で挨拶する。敬語は使い慣れていないんざますよ。

「俺は凪山 深だ。・・よろしく。」

何だ、ちゃんと挨拶もしてくれるし結構良い奴そうじゃんか。凪山君。

思いのほか穏やかな表情で手を差し伸べられた。握手って事か?
とりあえず手をとり、握る。

はぁ。これから凪山クンと暮らすのか・・・・上手くやっていけると良いなぁ。


そう思いながら握っている大きな手に、少し力を籠めた。






「い"っ、い"ででででで!!!てめえ力入れすぎだボケ!!!!!!糞!!!!」


[退室しますか?][入室しますか?]

5/7ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!