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白雪姫13


 負けず嫌い


 ナティア王妃は地下の一室に閉じこもって、非常に強力な毒を作りました。それは真っ赤な頬で、白いりんごでした。

 おそらくコウ姫が食べれば一分と経たないうちに死んでしまうでしょう。

 王妃は薄汚い格好をして、百姓女になりすまし、七人の小人の小屋へ急ぎました。


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 コウ姫も、さすがにこの日は家の中に閉じこもっていました。知らない百姓女がたずねてきても、小人たちの言いつけどおり、返事はしませんでした。

「おまえさん、このりんごを差し上げますよ」

「結構です」

「そう、おまえは毒が恐いんだね」

 この挑発に乗ってしまったコウ姫は勢いよく戸を開けました。

「誰が恐いですって? ばかにしないでよね」

「ではこうしましょう。このりんごを二つにわります。ひとつをあなたが、もうひとつを私が食べましょう」

「度胸比べってわけね。いいわ、やるわよ」

 百姓女は二つのうち、赤い方をコウ姫に渡しました。ちょうど赤い方だけに毒が入っているとも知らず、コウ姫はぱくりとりんごを食べました。

 そして、コウ姫は毒によって倒れてしまったのです。

「ふふ……今度こそ、お前は死んだんだよ、コウ姫!」

 王妃は大声であざ笑いました。




 城に帰った王妃は、再び鏡にといかけました。

「鏡よ鏡、この国で一番美しいのはだあれ」

『ああ、本当に死んでしまったのか、コウ姫……』

 心のどこかでコウ姫に生きていて欲しいと思っていた鏡は、真実を知って悲しくなりました。もう誰が一番美しいのか、それを答えるのもばからしくなりました。

『あなたがお望みの通り、この国で一番美しいのはナティア王妃様です』

 するとナティア王妃の恐ろしい表情は一変しました。

「そうでしょう? ほほほ……ほーっほっほっほ!」

 自分が一番になったと知って、王妃はたいへん気をよくしました。



『この国で一番美しいのは王妃様です。

 そう、

 生きているものの中では……』




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