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白雪姫09


 さて、どうしましょう


 みんなはベッドを囲うように覗き込みました。

「誰だこいつ。女? ああ、お前のじゃないか?」

「えー、私はもっとこう……出るところは出ている女性がいいなあ」

「だっはっはっは! たしかに! ぺったんこだなこいつ。色気の欠片もねー」
 
 そういうわけで、金髪の小人と大柄な小人はこれ以上謎の少女に興味を持ちませんでした。
 
 そんな中、唯一コウ姫を見て感動した者がいました。
 
 高飛車な小人です。
 
「でも……かわいいわ」

 そう言って姫を自分のベッドに移しました。
 
「私はこの子と一緒に寝るわ。」

 高飛車な小人はとても自分勝手だったので、桃色の小人が怒って言いました。

「ちょっと待って。勝手に物語を変えないでもらえる?」

「なによそれ。私はシナリオ通りに動くのってきらいなのよね」

「わ、私だって好きでこんな格好してるわけじゃないわよ」

「あなたって文句しか言えないの? 煩いわ、あっちに行って」

 こうして言い争いを始めた二人に、眼鏡の小人が「それ以上騒ぐとこの子が起きちゃうよ」と宥めると、コウ姫のことをすっかり忘れていた二人は急に大人しくなりました。

 そしてその日は、みんなで仲良く眠ったのです。


 +++++


 次の日の朝、目を覚ましたコウ姫は七人の小人を見てたいそう驚きました。

「ごめんなさい、勝手に家に入ってしまって」

 しかし小人たちはみんな気にしないタイプだったので、「そんなことは構わないよ」と優しく答えました。

 小人の中で一番冷静だった、眼鏡の小人が言いました。

「きみは何ていうの?」

「私はコウよ」

 それから、自分が義母に命を狙われていることや、猟師に襲われて逆に負かしたこと、森の野獣にも屈しなかったことを話すと、小人たちはすっかり感心してしまいました。

 そんな中、男勝りな小人だけは「大変だったろうに」と言いました。



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