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白雪姫08


 七人の変人


 夜になると、この小屋の人たちが帰ってきました。

 彼らは炭山で鉱石を掘り出す七人の小人でした。

 小人たちは異変に直ぐ気づきました。

 まず、一番目の大柄な小人が、
「おい、オレのイスに座ったのは誰だ」

 眼鏡の小人、
「あれ? 私の皿のものも減ってるね」

 金髪の小人、
「ふうん……どれどれ。あ、私のパンも少し無くなってるや」

 高飛車な小人、
「ちょっと、野菜楽しみにしてたのに。誰よ食べたやつ!」

 男勝りな小人、
「おい、私のフォークが床に落ちているんだが」

 無口な小人、
「俺の……ナイフも」

 桃色の小人、
「ねえ、水がちょっと減ってるの。誰の仕業なのよ」

 それから、一番目の大柄な小人が、自分のベッドが乱れてるのに気づきました。

「おーいおい、オレのベッドに入ったやつは誰だぁ?」

「えー、君の体に興味ないからねえ。もっと柔らかくて気持ちよくて……」

「黙れ金パツ野朗。お前こそ、女の髪の毛始末しとけよな」

「あれ、見落としてたのかな」

 大柄な小人は金髪の小人を小突きました。

 ところが次の瞬間、金髪の小人は前のめりになって床に倒れてしまいました。これには大柄な小人も驚きです。

 なんと、男勝りな小人が金髪の小人をぶんなぐったのですから。

「お前は……女を連れ込むとは何事だ!」

「いやだなぁ、そんなに怒らないでよ」

「死ねくそやろー!」

 喧嘩を始めてしまった二人に、他の小人たちは呆れてものも言えません。

「何やってるのかしらね、まったく。女のことよりも私の野菜がなくなったことの方が重要問題だわ。ねえお兄様」

「うーん、そうだねぇ。他に何か異常はあったかい?」

 この少し高飛車な小人と、ゆったりした眼鏡の小人は兄妹でした。

 眼鏡の小人に言われて、再び家の中を見回した無口な小人は、とりあえず自分のベッドの下に隠していた護身用ナイフが無事であったことに安堵していました。

 また、七番目の桃色の小人が自分のベッドを見た途端、驚きの声が響きました。

「まぁっ! 私のベッドに誰かいるわ!」



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あきゅろす。
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