[携帯モード] [URL送信]
21話 海賊船12


===港町リノア===


 コウの行方を捜している最中、フレアンとカルロはその有力な手がかりを得た。
 それは、コウが泥棒に会ったことから始まり、やがて海賊へと結びついた。

 コウが乗り込んだと思われる、ガラージルス海賊団。
 そして、夕刻そのガラージルス海賊団が、他の海賊に襲われたという。

 今フレアンは、港街に設置されてある海兵本部に向かっていた。
 おそらくコウはそのどちらかの海賊船に乗っているはず。そう考えたのだ。

『コウは幸運の持ち主ですから、大丈夫ですよ』

「お前がそんな事を言うなんて珍しいな。いつもはコウが一番のくせに」

『そう思わなければ気が狂いそうですから』

「……そうか」

 沈んだ空気をしょった二人は、夜道を颯爽と歩いていく。彼らの心を占めているものは、人は――

 コウしかいない。



←前へ次へ→

35/102ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!