21話 海賊船12
===港町リノア===
コウの行方を捜している最中、フレアンとカルロはその有力な手がかりを得た。
それは、コウが泥棒に会ったことから始まり、やがて海賊へと結びついた。
コウが乗り込んだと思われる、ガラージルス海賊団。
そして、夕刻そのガラージルス海賊団が、他の海賊に襲われたという。
今フレアンは、港街に設置されてある海兵本部に向かっていた。
おそらくコウはそのどちらかの海賊船に乗っているはず。そう考えたのだ。
『コウは幸運の持ち主ですから、大丈夫ですよ』
「お前がそんな事を言うなんて珍しいな。いつもはコウが一番のくせに」
『そう思わなければ気が狂いそうですから』
「……そうか」
沈んだ空気をしょった二人は、夜道を颯爽と歩いていく。彼らの心を占めているものは、人は――
コウしかいない。
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