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19話 出発12


 さっきも言ったけど。馬に乗った記憶はない+触った事も無い=乗り方がわからない。

「コウ……じっとしてても乗れないぞ」

「わかってるんだけど……何から手をつけていいか……」

 フレアンは大きくため息を吐いた後、近寄ってきた。世間知らずは今に始まったことじゃないでしょうに。カルロがこちらを凝視してるのは無視して、フレアンさんの手を取る。

「しっかりつかまって、足はそこに掛けて……」

 彼の言うとおりにすると、簡単に馬の背に乗れた。自分で「おおっ」といってしまうくらい。

「振り落とされるなよ、大人しい馬だから大丈夫だとは思うが……」

「心配ないない! さぁ港町に行くわよっ」

 馬の乗り心地が良かったので、少し気分がいい。自然と心が躍ってしまう。その気分の変わりように、ちょっと驚いた顔をした青年だったが、いつもの優しい顔をして彼も馬に乗った。
 その仕草一つ一つについ目が行ってしまう。

 パカパカパカ……

 本当に大人しい馬だ。もっと勢いよく走ったりするのかと思ったが、その気配は全く無い。私と、フレアンさんと、彼の横にリードで繋がれた荷物運び用ので、馬は合わせて3匹だ。
 馬に乗るのもやっとだったので、ルーンの籠は荷物用の馬に乗せておいた。カルロも一緒に馬の背に座っている。それを馬は何にも気にしてない。精霊は動物と相性がいいのだろうか……。

 コウ達はそのまま、道なりに港町リノアを目指した。



 19話「出発」[完]


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あきゅろす。
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