8話 再会01 ===リストの森 出口=== 「ありがとう、フェザールーン」 『いえ、大した事ではありませんから』 古の神、風の精霊・フェザールーンを東国軍から救出し、無事に森を出ることが出来たコウ達。森の最奥から、フェザールーンの風のみで一瞬にして出れた。 クリスはティレニアへ帰ろうとしたが、コウはあることを気にしていた。 「カイル様? どうかなさいましたか?」 クリスがそう言うと、コウはルーンを連れてナティアから少し離れた。その様子を見たクリスは、ナティアと共に森の入り口で待つ。 八話 再会 「……あの、フェザールーン」 『はい、なんでしょうか』 「その……君は、いいの?」 『――え?』 コウは躊躇いながら言う。 ――そう、このままティレニアへ向かえば、フェザールーンは確実に封印を解かざるをえなくなる。 禁断とされていた『古の神』が、再び人間界へ還るのだ。何かしらの変化が生じるに決まっている。 それが良い方へ行くか悪い方へ行くかは、まだ誰も予想がつかない。 風の精霊が『アムリアに服従した』ということにを皆に知らしめる様なものだ。 だがそれは彼女のプライドを傷つける事にはならないだろうか。 その事を、コウはずっと悩んでいた。 「このまま森にいてもいいんだよ?」 『王……』 [戻る] |