一次試験06
一次試験は本館1階の巨大バトルルームで、数人が一斉に行われる。コウはクリスと別れた後、1階へ降りて様子を見に来ていた。
試験はもうすでに始まっている。バトルルームは周りを白い壁で囲まれており、監督者と前後の戦士以外は見れないようになっている。試験の進み具合などは、表で案内係りが随時発表していた。
私は546番目。全参加者は600名余りなので、自分の番はまだ先だった。
試験を終えた戦士が何人か出てくるが、反応は皆それぞれで、苦戦する者、難なくこなす者が入り混じっていた。
周りには沢山の戦士が居る。これも人事ではないんだと、今更ながら不思議に思うのであった。
遠くで傍観していると、一人の少女が近づいてきた。金髪の美少女、サラだ。
「おはよ、サラ」
「おはよう、ちゃんと寝坊せずに起きれたのね」
「失礼だな、そんなに毎日昼まで寝てられないよ」
明るい笑い声が部屋の端で花咲く。軍事機関では比較的女生徒は少ない。コウ達の近くに居た戦士は、誰もが二人の少女に気付いただろう。
そんなことは一切気にしない二人は、これからの日程なんかを確認していた。
「午前は一次試験だけみたいね。昼食はさんで午後から二次試験か」
サラの説明を聞いていた。長たらしい説明の書かれたプリントを見たが、それを今覚えているはずもなく、本当にサラは頼りになるなぁと思っていた。
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