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修行10


「え! あと3日!?」

静かな時間を過ごしていたコウとクリスだったが、それは突然崩れ去る。なんと、私は丸々2日眠っていたというのだから……。

 本試験まであと3日。力の制御が出来たことには出来たが、試験本番に自信をもって臨めるほどではなかった。

「やばい、絶対にやばい……なんとかしなくちゃ!」

 コウは急いで着替え、隣の部屋へ向かった。急にドアが開き、紅茶を吹きこぼしそうになったアモンと驚いた顔をしたフレアンが立ち上がった。

「コウ? どうしたんだ、そんな慌てて」

 部屋に入ってくるなり、息を切らせてフレアンの肩を掴むコウ。その行動に心臓が大きく脈打ったが、それよりも彼女の慌てぶりの方が重要だ。

「せっせっかく来てくれたのに悪いとは思うんだけど……私今とっても時間が無いの!!」

 コウがど迫力で凄んできたので、思わず後ずさる。その表情には余裕というものが一切感じられない。これは相当試験に追われてるな……

「我々は構わないが……あまり無理をするなよ」

「うん! ありがとう! それじゃ、いってきます!」

「ああ、いってら――」

 バタンッッッ!!!

「――っしゃい……」

 フレアンの話が終わる前に部屋を出て行ったコウ。まるで嵐の様だった。気ままにやってきては心を乱していく……そんな掴み所のないコウに興味を持ったのも事実。

「私の手に負えるだろうか……」

「お前なら大丈夫だろ」

 コウの名残を惜しんでいるフレアンに、すかさずフォローを入れたアモン。

「そうだといいがな」

 そう言って椅子に戻り、残りの紅茶を飲み干すと、ダイスとクリスに軽く挨拶してどこかへと行ってしまった。



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あきゅろす。
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