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仲間07

「……わかったよ。俺も言い過ぎた……悪かったな、リナ」

「何リナを呼び捨てにしてんのよ、馴れ馴れしいわね」

「いっいいだろ!? 別に――」

「あ、構いませんよ。リナと呼んでください」

 リナはにこりと微笑む。それだけで、辺りはふんわりした空気になった。

 この子ならこの筋肉バカを飼いならせる!
 そんなことを思ったのは私だけだっただろう。

「俺は戦士希望で斧が得意だ。力勝負は負けねえぜ」

 ケインは自分の腕の筋肉を自慢する様に見せてきた。するとリナも、得意げに特技について話しだす。

「私は杖が得意です。回復は任せてくださいね」

「コウ、お前は?」

 そう促され、一瞬言葉に詰まる。
 私は……何か得意な事があるの? 剣は使えるけど、果たして得意と言ってよいものか。しかも私は何系だろう。
 戦士系? 剣士かな。

「えっと……剣士希望? で、剣が得意? です」

「何いきなり敬語? しかもいちいち『?』つけんなよ」
「だって自信ないんだもん」

 コウは素直にはっきり答えた。あまりに潔かったためか、ケインは珍しく嫌味を言わなかった。
 リナはちょっと驚いていたが、いつもの笑顔に戻る。

「そうか、剣士か……」

「あ、自信無いって言ったけど、剣の腕は確かだと思うわ」

「まぁ! 強いんですね、コウさん」

 リナが感激している。ケインは「ほんとか?」という疑いの目で私を見るが。

 本当に、剣の腕は確かだ。
 だって、セーレン・ハイルのフォローはいつも完璧なのだから。こちらの精神の全てを持っていかれないように、注意する必要はあるけれど。

「まぁいい、力任せに突き進むのが俺の戦法だ。リナは後方で援護、コウも俺と一緒に前に出て敵を倒せばいい」

「ケインも戦略とか考えるんだ」

「何が言いたい! 言っておくが二次試験はかなり手ごわい。と言うか、無茶苦茶だ」

「そうですね。あんなもの……倒せるほうが恐ろしいです」

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