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閑話2


 コンコン

「……入れ」

 低い落ち着いた声が少し部屋に響いた…。一呼吸置いてドアが開く。そこに立っていた男は、またもや不機嫌そうな様子で。

「リセイ様、客人がお見えですが……」

 彼は何故かためらっていた。

「つれて来い」

 リセイは表情を変えることなく応える。

「かしこまりました」

 男は何か言いたげな様子で出て行った。

 リセイは客人に会いたいのではなく、その客人が持っているある情報がどうしても欲しかった……と、突然ドアが開いた。

「やあリセイ君、お久しぶり! 相変わらず元気そうで……って、何か暗くない?」

 ズカズカと部屋に入り込んできたのは、派手な金髪ロンゲ男…口調も軽い。

「あなたが来たからに決まっているでしょう。アモン教皇」

 先ほどの不機嫌な男が、5割増しでつぶやいた。教皇はやっぱり? といった顔で笑う。

「オレ、嫌われてるねぇ」

 嫌われているにしては、余裕な態度だった。

「でもいいのかなぁ〜? オレをそんな邪険にして」

 意味ありげな発言をする。それに対して不機嫌男は一層イライラしていた。

「気持ちが悪い! 何が言いたいのですか!?」

「まあまあ、そう怒るなって。グレイちゃん」

「! 貴様に名前で呼ばれたくはない!」

 不機嫌男はグレイというらしい。ついでにこのふざけたヤツが教皇のアモンだ。

「グレイ、やめておけ。それよりアモン教皇、私に伝えることがあるはずだが?」

 リセイは何か急いている。

「分かってるよ…リセイ」

 教皇は急にまじめな顔になる。グレイもそれに気づいた。



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あきゅろす。
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