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第2話:03


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薄暗い閉鎖された部屋にいた。片手には、先ほど受け取った剣を持って。
私には剣を握った記憶なんかない。恐らく生まれて始めてなのだろう。
手が、少し震えていた。

『お待たせしました、バトルルームへようこそ。使用目的を入力してください』

機会音が流れてきた方へ行くと、いくつかの選択肢を記した石版があった。

「剣の修行だから……」

私は剣の絵が描かれた部分を触ってみる。するとその触った部分から光が走り、一気に辺りが明るくなった。

思わず目を瞑り、剣を強く握り締める。

程なくして光の雨は止み、外気が少し冷たくなったと感じ、漸く目を開けた。

先程までは確かに何も無かった、真っ暗な空間。音も生きるものの気配すら感じなかった部屋の奥で、何かが蠢いていた。

暗闇に目が慣れて、輪郭のみ、模る事が出来た。
 私に何一つ記憶が残っていなかったとしても、分かる。

 数十メートル先に居る、それこそ数え切れない程の数の、闇に生きる獣達が……私にとって危険だという事を。

『グルルル……』

 彼らは奇妙な声で鳴き、仲間同士でなにやら相談している様だった。

「何……あれ」

 見れば見るほど気持ち悪い。明らかに普通じゃないその姿に、足が震えて動かなかった。
 すると獣の一匹がこちらを見た。

「やだ……」

 ウウウウウゥ…と唸る。

「やめて……」

 他の獣もこちらを向いて、睨んできた。そして一斉にこちらへ走ってきた。


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