第2話:02
「何よ生意気ねっ……無能のくせに!」
彼女は私の態度が気に入らなかったのだろう。
私は「だから?」とさらに冷たく返そうとしたが。
「コウさん、お待たせしました」
どこかへ行っていたお姉さんがようやく戻ってきた。
「いえ、それで何を?」
「預かっていた物がありますので、こちらへ」
「はい。あ、じゃあまたね、サラ」
「ええ」
名前も知らない彼女のことは放置した。そうすると何やら不服そうに去っていった。
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検査室に入ると、布でぐるぐる巻かれたものを渡された。
「これ何ですか?」
「これはセーレン・ハイル。魂の救い、とも言われます。エレメントを使う者にしか扱うことが出来ない剣です」
聞いた事もない武器を目の前に、どうしていいか分からない。
「私はエレメント自体は使えないけど、この剣は扱えるんですね?」
「ええ、問題ありません。それどころか、この剣は貴女の為に存在していると言っても過言ではないのですよ」
女性教官は淡々と話し始める。
所々理解に苦しむ言葉があったが、あえて気にする事は無かった。
「えと、つまり私にとって最適な剣ってことね。わかった……大事に使うよ」
そう言って周りの布をはずしていく。
金の装飾を成された唐草の紋様が描かれている鞘に、細い銀の刃が収められていた。
とても軽く、銀色に光るその姿に、少しの間見惚れていた。
「気に入っていただけましたか?」
「ええ、凄いのね、この剣……」
「それはよかった。あの方もきっと喜んでくださいますわ」
ふと、彼女の言うあの方というのに興味を持った。そう言えば、昨日も教皇が”あいつに頼まれた”と言っていたし、一体誰なのだろう。
「あの、これをくれた人……あの方って誰なんですか?」
「とても素敵な方です。コウさんもいつか必ず会えますわ」
「ふーん」
そんな言い方されたら余計気になる。
でも、この人は絶対に教えてくれそうにない。今は諦めといた方が賢明だろう。
「剣術の型は、自室のバトルルームで立体映像を使って練習できるようになっております」
「わかりました。さっそく今から練習してきます。色々ありがとうございました」
私は3回ほどお辞儀して、自室へ急いだ。
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