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長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その36

「か…和美さ…ん…ギブ…ギブですぅ…っ」

顔面を鷲掴みされた硫ちゃんパパが、自分の顔面を覆う硫ちゃんママの右手を、力無くタップした。

すると、ゆっくり硫ちゃんパパを床に下ろし、硫ちゃんママは黒い笑顔を近付け宣った。

「ワレ…たいがいしちょかんとシゴウするけぇの…」


「は…はいぃ!!」

そして、恐怖の広島弁女王は僕の方に振り向き、困った様な顔をして言った。

「勇ちゃんは女より男にモテるタイプじゃけ、そこん所を自覚してちゃんと自己防衛せなあかんよ?」


「は…はい…!!!!」

元気に返事をしたものの、『女の子より男の子にモテる』発言には、軽くヘコまされた事は言うまでも無い。


その後、まるで何も無かったかの様に四人で食卓を囲んだ。

その時聞いた話に因ると、硫ちゃんママは十代の頃広島で、レディースの頭を張って居たらしく、チームを引退した後、実家である華道の家に戻り硫ちゃんのお父さん…則ち、陽介さんと御見合い結婚したという。

ちなみに広島弁は、レディースをして居た頃の名残りで、今でもキレるとつい出てしまうとの事。

陽介さんの子供っぽい所と、和美さんのキレると怖い所を、足して2で割ると硫ちゃんに成るのか…。
と、僕は静かに納得した。


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あきゅろす。
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