長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その24
「あら?硫介?遊びに行ったんじゃ無かったの?」
最上階に着き、硫ちゃんが玄関を開けると、硫ちゃんのお母さんらしき人が洗濯物を抱えて、長い廊下を歩いて来た。
…ってゆーか最上階は硫ちゃんちの専用フロアなんですね。
「く…クラスメイトの、あい、相沢勇輝です!!
初めまして……!!」
「あら、可愛い子……。
硫介の母の和美です♪
硫介が御世話になってます…」
「こち、こちらこそ御世話になってまする…!!」
―――――――――。
僕、何かおかしい事言ったかな?
硫ちゃんが隣でゲラゲラ笑ってるし。
硫ちゃんのお母さんもコロコロ笑ってる。
「アハハハハ!!勇ちゃん!!面白過ぎ!!
『御世話になってまする!!』
って敬語無茶苦茶んなってんよ!!
……江戸かよ!!」
なるほど、緊張して敬語がお侍さんみたいになってたのか。
恥ずかしくて顔が真っ赤になってるのが自分でも分かる。
すると、硫ちゃんのお母さんがさっきまでの笑顔のまま、硫ちゃんの頭をスリッパで思いきり叩いた。
スパ――ン!!
「いつまでも、人の失敗を笑うんじゃありません……」
「いってぇ〜母さんだって笑ってたじゃん…」
「硫介うるさい。」
お母さんの笑顔が心なしか黒い…。
「そーいや…父さんはもう仕事行った?」
先程叩かれた頭を擦りながら、硫ちゃんがブラックお母様に尋ねた。
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