長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】 その10 『言われてみれば…ファーストキスだよー!!!!』 「……………」 明らかに、落ち込んだ様子の勇輝とは対照的に、上機嫌な十朱。 「ファーストキスだったんだ…?御馳走様♪」 『今までどんなに非道い目に遭っても、キスだけはされた事無かったのに……偶然だろうけど…』 「大分遅くなったね。 急いで行かないと理事長に怒られるよ?」 落ち込む勇輝の前髪を降ろし、眼鏡を掛けさせると、十朱はシレっとした顔で、勇輝の手を引っ張り歩き出した。 向かった先はエレベーターホール。 エレベーターに乗り込むと、十朱はポケットから一枚のカードを取り出した。 その金色のカードで、読み取り機の様な箇所に触れると、十朱は10階のボタンを押した。 「理事長室と生徒会室には、このカードか銀色のカードが無いと行けないんだよ♪」 そう説明すると、カードをポケットに直し再び勇輝の手を握る十朱。 そんな十朱に勇輝が訴えた。 「十朱先輩…手…離して下さい…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |