長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その4
「お邪魔しま〜す」
玄関に上がり、お兄さんが木製のドアを開く。
生活に必要な物しか置いてない割に、お洒落な部屋に見えるのはきっと、家具に統一感があるからだろう。
茶色い革のソファーと、シックな木目調の背の低いテーブルが、部屋の雰囲気にとても合っていて、持ち主のセンスの良さを物語っている。
他人の家なんて、ほとんど行った事が無い僕がキョロキョロしてると、お兄さんは奥の部屋からやって来て、
「風呂でも入って来なよ、その間に夕飯作っておいてあげるから」
と言うと、バスタオルを僕に渡してくれた。
本当に良い人だ!!
この上泊めて貰うなんて何だか甘え過ぎな気がする…。
夕飯を御馳走になったらやっぱり家に帰ろう!!
これ以上この人に迷惑を掛けちゃいけない!!
「ありがとうございます♪」
「風呂場は出て、すぐ左の突き当たりだから…。
……ごゆっくり…」
「はい。ありがとうございます♪」
家を出た時とは、打って変わって上機嫌な僕は、ドアを開けて風呂場を目指した。
だから、お兄さんが僕の背中を見て、含み笑いをしていた事なんて……
…知らなかったんだ。
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