長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その60〜どたばた〜
―――翌日の午後。
勇輝と高宮の二人は、昨夜のタイマンのせいで、疲労困憊していた為、昼食を作るのは止めにして、コンビニにでも行こうかと、相談し合っていた。
すると…
――――ピー…ガチャ!!
ドタドタドタドタドタ!!
「「「勇輝っっ!!」」」
「勇にぃっっ!!」
「勇ちゃんっっ!!」
十朱を筆頭とする、合宿組が突然、高宮の部屋へ乱入してきた。
十朱、牧村、一馬、原、佐々木の五人に取り囲まれ、ソファーの上で、唖然とした表情のまま固まる勇輝。
「勇輝!!会長に襲われなかったか!?
大丈夫だったか!?」
「勇にぃ!!勇にぃ!!
何で頭に包帯なんか巻いてるの!?」
「それやで!!怪我は右手だけやって聞いとったのに!!…顏中、湿布だらけやんか!!!!」
「…勇輝…まさか…。
司に何かされたんじゃ………」
「…………!!!!!
勇ちゃん!?そうなの!?勇ちゃん!!答えて!?」
現れるなり、怒濤の質問ラッシュを掛ける五人。
「あ…う…みんな、落ち着いて…??」
その迫力に勇輝はタジタジだ。
そこへ今までソファーに腰掛け、沈黙を守っていた俺様会長が、助け船を出した。
「……ったく。
…おい…お前等、少しは落ち着いたらどうだ…?
みっとも無ぇぞ…」
余裕シャクシャクな態度で、煙草を吸いながら、そう静かに切り出した高宮に、原が言い返す。
「アンタが落ち着き過ぎなんや…!!!!!!」
至極もっともな意見である。
他の四人も間違い無く同意見だ。
しかし、そんな五人に相変わらずの、俺様振りを発揮する高宮。
「フン、慌てる何とかは貰いが少ねぇぞ…?
この三日間の、事の顛末ってヤツを説明してやる…州慈を呼んで全員、生徒会室で待機してろ…」
勇輝自身に説明させていたら、陽が暮れると判断した高宮の提案だった。
「……まぁ、その方が効率は良さそうだね…」
「…そんなら、能美先輩は俺が連れて来たるかの…皆は先に行っちょってや……」
と、十朱と原が言うと、
「じゃあ勇にぃ、すぐ戻るからココで大人しく待っててね…」
と、一馬が勇輝の肩に腕を回し、
「うん♪待ってる!!」
一馬に、勇輝が笑顔でそう答えた瞬間、一馬の腕は何者かに因って捻り上げられた。
「テメー!!いつになったら、その慣れ慣れしい態度は治りやがんだコラ!!」
……その正体は、牧村氏だった。
「何スか…!?牧村先輩?
そーゆー台詞は、セフレを全部切り終えてから言って下さいよ…!?」
そう言いながら、牧村の手を強引振りほどく一馬。
「何だと!?この一年坊が…ブチ殺すぞ…!!」
その場で立ち上がり、至近距離でガンの飛ばし合いを始める二人。
その脇を、勇輝に近付く為、佐々木がすり抜けた。
――トコトコトコ
「勇ちゃん?僕達が戻って来るまで、大人しく待っててね?
…外で喧嘩なんかしちゃダメだよ…?」
「そんな…四六時中、喧嘩ばっかりしてるみたいに言わないでよ……!!」
とうとう、佐々木にまで、荒野の荒くれ者の様な扱いを受けてしまった勇輝は、頬を膨らましてプイっと横を向いてしまった。
そんな勇輝の姿に、十朱が萌え出す。
「勇輝可愛いー♪やっぱり僕は生徒会室には行かない事にしよ。
原?後で、話の内容だけ僕に報告してね」
「十朱先輩!!そりゃ無いで!!何で部下でも無いワイが、そないな事せないかんとや…!?」
「……おぅ。それなら俺も行かねぇぜ…。
原?俺にも後で報告頼んだぜ…?」
「じゃあ原先輩、俺にもお願いします…」
「じゃあ、ついでに僕も……」
「あ、アンタ等は鬼か!!
ほんなモン、ワイかて行きた無いわい!!」
かなり自己中な五人。
そんな、カオスな室内を整理する為、元祖俺様が口を開いた。
「おい…お前等、いい加減にしろ…。
話は、生徒会室に全員が揃うまで始めねぇぞ…」
「「「「「チッ…!!」」」」」
俺様会長に、上手く場を仕切られてしまった、五人(佐々木を含む)の舌打ちの音がハモった。
こうして、勇輝を除く全員が、やっと生徒会室へと移動を始めた。
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