長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その37
「バカ野郎!!待て!!
一体ドコに行くつもりだ!?」
高宮はソファーから慌てて立ち上がると、玄関に向かって歩き出した、勇輝の肩を捕まえた。
「…え?…ドコって…。
州慈さんに、昨日のお礼を言って、自分の部屋に帰ろうかと……」
高宮の慌てっぷりに、驚いた勇輝が目を丸くしてそう言うと、高宮は大きくため息を吐いた。
「州慈の所に行くなら俺も一緒に行ってやる…。
その後は、またこの部屋に戻るんだ……」
「………何でですか?」
「はぁ……オメーは本物の大バカ野郎だな……。
いいか…?琴音達はオメーを潰す事を諦めた訳じゃねぇんだぞ…?」
「琴音さん…って誰ですか…?」
「昨日、オメーを襲った連中の頭株だ…」
「…あぁ…あの人か!!」
呑気に納得した表情で、「ポン」と手を打つ勇輝。
「昨日の今日だってのに、オメーが一人でその辺をウロウロしてたら、アイツ等ぁ大喜びで、またオメーを襲うぞ!?」
「な、なるほど……」
やっと、事態の深刻さを理解した勇輝。
「兎に角…レクリエーションが終わって明日、薫や牧村達が帰って来るまでは、俺の傍を離れるな…」
本当はこのままずっと、勇輝を自分の傍に置いておきたかった、高宮なのだが……
『コイツにタイマンで勝つまで、俺にはその資格が無ぇ…』
と考え、敢えて【十朱達が帰って来るまで】と、期限を区切ったのだ。
「薫達が帰って来れば、連中もそう簡単には、無茶は出来無ぇ……。
オメーは、早く怪我を治す事だけ考えてりゃ良いんだよ……」
高宮がそう言って薄く微笑むと、勇輝も笑顔で返した。
「解りました!!
じゃあ後一日だけ、宜しくお願いします♪」
「おぅ…」
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