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長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その34

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『…みんな…僕の事を心配してくれるのは嬉しいけど…つ、疲れた…』

憔悴し切った表情でソファーに顔を埋める勇輝。

既に太陽は西に傾きだしている。

しかし、すぐに皆へ連絡を入れたのは正解だ。

十朱、牧村、佐々木、原、一馬の五名は、揃って合宿を抜け出す算段を立てていた所だったからだ。

必死な説得で、合宿組に何とか、脱走を思い止まらせる事に成功した勇輝だったが、本当に大変だったのは、高宮の言っていた【何だか分からねぇガラの悪い奴】の方だった。



着信履歴には

【10:30 忠臣さん】

と標示されていた。

どうやら、神保は仕事が休みだった為、

「久しぶりに、勇輝の声が聞きてぇなぁ…」

と考え、何気無く電話を掛けたようだ。

しかし、電話口に出たのは聞いた事も無い男の声。

しかも男は

「…心配するな…アイツなら俺の部屋で、ぐっすり眠っている…」

と言って、焦りまくって怒鳴り散らす神保の事などお構い無しに、携帯電話の電源ごと切ってしまう有り様。


高宮の不親切な説明のお陰で、勇輝が電話を入れた時には、既に夜行會と神州會の面子が勢揃いし、今まさに鹿鳴館学院へ向けて、進軍を開始せんとしていた所だったのだ。


勇輝の必死な説得に因り、何とかその場は丸く治まったが、本当に大変だったのはその後だ…。

どうやら、新しく結成された神州會のメンバーの中では、神保の影響も在ってか【夜行姫 相沢勇輝】の名は伝説にまで成っていたのだ。

勇輝を直接知っている者達は勿論の事【伝説の夜行姫】に挨拶をしたいと言い出した連中のお陰で、合計の通話時間は二時間以上に及んだのだった。


最早、夜行會と神州會は連合を組んで、名前を【相沢勇輝、親衛隊】に変えた方が、寧ろ自然な姿なのかも知れない。


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あきゅろす。
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