長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その31
高宮の発言に困惑する勇輝。
それとは対照的な、余裕に満ちた表情で高宮が告げる。
「読んで字の如くだ…俺がお前を独占するって事だ…」
「それって……
『ジュース買って来い』
…とか、
『俺の鞄を持て!!』
…とか、
『パンを買って来い!!』
…とか…言われたりする感じ…ですよね…?」
勇輝と高宮の会話が、少しづつズレだした。
そんなズレを修正せんが為、呆れた口調で高宮が言葉を紡いだ。
「それじゃあ只のパシリじゃねぇかよ…」
「ぱ…パシリとは…違うんですか…?」
高宮の言わんとする事が、全く理解出来ない勇輝は、未だに困惑した表情のままだ。
そんな勇輝に、高宮は新しい煙草に火を点け、
「パシリとは違う…。
お前はこの部屋に移り住んで、飯を作ったり掃除をしたり……………。
……兎に角!!
お前は、俺の傍にずっと一緒に居ればいいんだ…」
と、少し照れた様に切り出した。
顎に手を当て考え込む勇輝。
『…つまり、会長さん専門の家政夫さんになれって事か……。
お金持ちで人気者なんだから、身の回りの世話位誰か他の人にして貰えば良いのに…。
…でも、それじゃ罰ゲームにならないか…』
その外見や物言いに反し、意外と不器用さんな高宮のせいで、大きな勘違いをしてしまった勇輝。
「分かりました…。
…その代わり僕が勝っても負けても、こないだの食堂での事は水に流して下さいよ…?」
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