長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】 その20 ―――――――――――――――――――。 「はぁ…はぁ…」 なんとか囲みを脱出し、医療棟を目指して走る能美。 『き、キリが無いですね…馬鹿になるのも一苦労ですよ…。 これは、後で勇輝君から、御褒美を貰わなくてはいけませんね…』 医療棟の手前、200m程の場所で立ち止まった能美は、追手と再び殴り合いを開始した。 「オッラァ…!!」 ―――――――――。 『あと少し…あと少しで…医療棟…勇輝君…』 ここまで来る為に、既にかなりのダメージを負ってしまった能美だったが…やはり銀髪夜叉の異名は伊達では無い。 能美の言い知れぬ迫力に押され、男達は少し腰が引けている。 その様子を、離れて見ていた親衛隊のリーダー藤崎 琴音が、隣に立っていた者に尋ねた。 「州慈様が向かっているのは、どう見ても医療棟だよね…。 …きっと相沢勇輝は怪我が悪化して動けないんだよ…。 …ねぇ。州慈様を最初に見つけたのは何処…?」 「あ…噴水の辺りって聞いたけど…」 情報を得た藤崎は、学院の地図を開いて指示を出した。 「じゃあ、きっと相沢勇輝は体育館の辺りに隠れてるよ…。 何人か連れて、もう一度探してみようか……」 [*前へ][次へ#] [戻る] |