長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その15
「…このぉ…!!」
―――バキッッ!!
能美の背後を守り、自分より大きな体格の者と、懸命に戦う勇輝。
しかし、怪我をした右手を庇っていた為、どうしても蹴り技中心になってしまい、そのコンビネーションは精彩を欠いていた。
『やはり全滅させて逃走するには、無理がある様ですね…』
勇輝の苦戦する様子を感じ取った能美は、
「勇輝君!!一気に突破しますよ!!」
と叫ぶと、中指を他の四指より少し出っ張らせた奇妙な形の拳を作り、その中指の出っ張りを、立ちはだかる男達の目や喉に、次々と突き立てていった。
「ぎゃっ…!!」
「……うっっ!!」
「…ガッハッ……!!」
「くぁっ…!!」
気絶する程では無いが、やはり目や喉と言った弱い部分を、鋭角な箇所で突かれる激痛は速効性があるらしく、助っ人の男達は次々と道を開けた。
『す…凄い…』
そう感心しながら、目や喉を押さえながら掴み掛って来る者達に、蹴りを撃ち込みながら能美の作った道を進む勇輝。
そんな修羅場を、玄関口で見ていた親衛隊のリーダーと思われる少年は、玄関のドアを開くと、一目散に寮の廊下へと駆け出していた。
「く…くそぅ…州慈様まであんなに強いなんて…!!
…こうなったら全員招集しないと…」
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