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長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その14〜銀髪夜叉〜

助っ人の男達の、余裕の表情を見て、「はぁ…」と、ため息を一つ吐いた能美が、メガネを外して呟く。


「私も、随分とナメられたものですね……」


「州慈さん!!僕が突っ込んで逃げ道を作りますから、州慈さんはすぐに脱出して下さい!!」

勇輝は、能美が喧嘩をしている所を見た事が無かった為、

『漫画とかでも、優秀な参謀役って喧嘩は弱かったりするし……ここは僕が頑張って州慈さんを守らなきゃ……!!』

と、考えて能美に脱出を促したが、能美の返事は、勇輝に取って意外なものだった。

外した眼鏡を上着のポケットにしまい、両手で銀色に輝く前髪を掻き上げる能美。

「フフ…勇輝君は相変わらず優しいですね?心配には及びませんよ…。
元、神州連合副長【銀髪夜叉の能美】…この肩書きは伊達ではありませんから…」


「え…?」

能美の台詞に驚き、向けていた視線の先を、助っ人達から能美に移す勇輝。

しかし、既に能美の姿はそこには無かった。


―――パン!!パン!!
―ドスッ!!


能美は凄まじい速さで飛び出し、先頭に立つ男の左右の耳を、一度づつ手の平で素早く叩き、最後に男の腹を、膝で蹴り上げていた。

「う……ぁ……」

運動部員らしき、体格の良い生徒が、両耳から血を流しながら床に蹲ると、能美は

「私のあとに着いて来て下さい!!」

と叫び、自分に飛び掛って来た男に、裏拳を決めていた。

「はい…!!」

そして、能美の意外な実力に驚いていた勇輝も、大きな声で返事をして、能美の背後を守る為、駆け出した。


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