長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その5〜意外すぎる人物〜
――――ガチャ。
勇輝がドアを開けると、そこには生徒会の会計係が立っていた。
「久し振りですね?
…勇輝君…」
会計係は、そう言って薄く微笑むと、眼鏡を外し、銀髪の前髪を掻き上げた。
「の、の、能美…さん!?」
勇輝が驚くのも無理は無い。
今目の前に立っているのは元、神州連合No.2の能美州慈だったからだ。
「フフフ…久し振りだと言うのに、随分他人行儀なんですね…?
州慈と呼んで下さいと、言いませんでしたか?」
「あ…ご、ごめんなさい…州慈さん…?」
上目使いで、遠慮気味にその名を呼んだ勇輝の頭を、能美が優しく撫でた。
「フフ…相変わらず勇輝君は可愛いですね…」
そこへ、十朱が口を挟む。
「ちょっと待って!!
勇輝!?州慈と知り合いなの!?」
「はい、州慈さんとは…「実家が近所なんですよ」…へ?」
どうやら能美は、この学院では暴走族のチームに入っている事を、秘密にしているようだ。
十朱と牧村に気付かれ無いように、勇輝へ目配せする能美。
一応、勇輝にも能美の言わんとする事が伝わった様で、勇輝も能美の嘘に合わせた。
「そ、そうなん、ですよ!!
能…州慈さんとは、御近所さん…なんです…!!」
嘘をつくのが、死ぬ程下手くそな勇輝…。
牧村はそんな勇輝の態度に「はぁ…」と、ため息を吐いた。
「…まぁいいけどよ…帰って来たら本当の事を、しっかりと聞かせて貰うぜ…?」
「うぅ……」
三秒で嘘がバレてしまい、少しヘコむ勇輝。
そんな勇輝を横目に、十朱が能美に疑問をぶつけた。
「…で?州慈は一体、何をしに来たワケ…?」
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