長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】 その2〜嵐の予感〜 相変わらず突然現れた十朱は、凄まじい勢いで勇輝に抱き付くと、包帯の巻かれた勇輝の右手を両手で優しく包んだ。 「痛かったよね…? でも安心して、勇輝に咬みついた犬は、今日中にでも処分するように、警備員に通達しておくから…」 「ちょ、ちょっと待って下さい!! あのワンコは、全然悪くないんですよ!!」 あくまでも、良かれと思った十朱の発言だったが、勇輝の思わぬ反発にあってしまった。 ――――――――。 「……ってゆー訳なんですよ…」 勇輝から、手短に事情を説明された十朱は、少し困った様に眉を八の字に下げ、微笑みを浮かべながら、勇輝の頭を撫でた。 『…ホントに…抱き締めたくなる様なお馬鹿さんだね…勇輝は…』 無言で勇輝の頭を撫で続ける十朱。 そこへ、牧村が話し掛けて来た。 「…副会長、用事がそれだけなら、そろそろ行かないとマズいんじゃねぇんスか…?」 半ば呆れた様な口調で、牧村が、そう忠告すると「は!!」っと我に返った十朱が喋り出した。 「そーだった!!実はかなり厄介な事になったんだ…!!」 「「厄介な事…?」」 「うん……実は……」 ――――――――――――――――――。 [*前へ][次へ#] [戻る] |