長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その28
『ぁ…ぼ…僕の…いやら…しいか…体を…ん…お…か…犯して…』
何気無い日常の風景の中、ただ座り込んで呆けていると、あの獣の様な男から逃げ切れた安心感に包まれ、嫌でも昨夜受けた仕打ちを思い出してしまう。
そして、男の与える暴力と快楽に、全く抗う事が出来ず流されてしまった、自分の惨めさと、腑甲斐無さに、思わず涙が溢れ出す。
僕に、執拗な嫌がらせを繰り返す事が、楽しくて仕方が無いクラスメイト達の顔………。
あからさまに僕の存在を無視する優子さんの顔…
只々寡黙な父さんの顔…
そして……一馬。
与えられるだけで、何も返す事の出来なかった弟の顔…。
生まれて来た意味なんか…僕には分からない…。
「……母さん…」
混濁した意識の中、疲労しきった体を引きずり、僕は眼下に映る、赤茶色に錆びた二本のレール目掛けて、飛び出していた。
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