長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】 その37 「もしもし〜?……いや大丈夫、もう朝だから……え?…まだ11時?」 勇輝は電話をしながら窓の外に目を遣った…当然外は真っ暗だ。 「…ホントだ……いや、ソファーでうたた寝してたの…いや自室の…うん…大丈夫だって!!」 牧村はそんな勇輝の会話を聞きながら、キッチンへ移動すると、コーヒーを煎れ始めた。 ――ポコポコポコ。 『ついでに勇輝のも持ってってやるか…』 トレイにカップを二つ並べ、牧村がキッチンから出て来たが、勇輝はまだ電話中だった。 「ほれ…」 「あ、ありがと♪」 勇輝は短く感謝の言葉を述べると、携帯電話を肩と頬で挟み、テーブルの上に素っ気無く出されたコーヒーカップに、大量のクリームと砂糖を投入し始めた。 『コイツ…コーヒー飲めねぇのか?』 牧村も勇輝の正面にあるソファーに腰掛けた。 「だから大丈夫だって♪ みんなより強い人なんて、そうそう居る訳が無いし……うん。 あ、ミッチーとター君も居るの!? 代わって代わって♪」 コーヒーをすすりながら、電話の会話に聞耳を立てる牧村。 『ミッチー?ター君?みんな? …勇輝ってダチ多いんかな? しかし…【強い人】ってまさか喧嘩の事か!? 格闘ゲームってゆーんなら、見たまんまなんだけど…実際、俺って勇輝にワンパンでヤラれてっからなぁ〜謎だぜ……』 そう思って、牧村が勇輝の顔をチラ見した、 ――――――その時…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |