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長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その31

「大丈夫!!僕が作るから♪って……。
自炊はしないって事は……ひょっとしたら冷蔵庫の中は空っぽ?」


冷蔵庫の中を想像して、ガックリした勇輝の肩を十朱が軽く叩いた。


「勇輝…大丈夫だよ。
この寮の冷蔵庫って、係の人が常に食材を補充して行くんだ♪
だから、どんなダメ人間の冷蔵庫でも新鮮な食材が、いつも豊富に揃ってるんだよ?」


「そ、そーなんですか!?」


十朱の台詞を聞いた勇輝が、キッチンへ飛んで行き、冷蔵庫を開けると、そこには新鮮な肉、野菜、魚介類、が詰まっていた。

まるで宝の山を発見した様な表情で、うっとりと食材達を見つめる勇輝。

続けてシンクの下にある引き戸を開くと、中には各種調味料が揃っていた。


「おた〇くソースまであるし…+゚
こんな至れり尽せりな……♪」


そんな勇輝を見ながら、十朱が呟いた。


「勇輝って、料理が好きだったの?
それなら、明日の夕飯は僕の部屋で決定だね?
…僕の部屋の冷蔵庫にはもっと凄い食材が、沢山あるよ…?」


勇輝の趣味が料理だと踏んだ十朱は、食べ物と趣味の両方で勇輝を釣ろうとした。

…が、そんなノリノリの十朱に対し、勇輝は少し困った顔をして告げた。


「でも…凄い食材があっても、僕が作れるのって庶民的なのばっかりで…。
今だってお好み焼きにしようか、ソバ飯にしようか迷ってた位だし…」


実は勇輝が作れる料理というのは、全て女将さん直伝の【きんぐ】の正メニューと、店員のまかない料理が少々、それにカレーライス程度だったのだ。

『僕のレパートリーじゃ、高級食材を使っても猫に小判だよ!!』

そう思って軽くヘコんだ勇輝に、ソファーでテレビを見ていた牧村が話し掛けた。

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あきゅろす。
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